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歯周病って治らない病気?

2023年9月30日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病って治らない病気?』と、「歯周病になって失うものは?』についてお話したいと思います。

歯周病って治らない病気?

「歯周病は一生治らない」…そんな言葉を聞かれたことはありますか?治療しても治らないんじゃ、してもしょうがないのでは?なんて思われるかもしれませんが、実際はきちんと治療をしてメンテナンスを続ければ、歯周病は治ります。治るけど、再発しやすい病気です。

ただし、歯周病は再発しやすいのも事実。毎日のセルフケアが疎かだったり、歯科医院での定期的なメンテナンスができていないと、再び歯周ポケットができて歯周病菌が住み着き、歯ぐきに炎症を起こし、さらにはあごの骨も溶かしていきます。つまり、メンテナンスを怠ると、いくら治療をしても歯周病が再発し“一生治らない”と同様の状態が続いてしまうのです。

治療完了後、再発させないために必要なこと

毎日のブラッシング

食後や特にお休み前にはしっかり歯磨きすることが大切です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスなども利用して隅々までキレイに。磨き残しやすいポイントなど、私たちにお気軽にお聞きください。

歯科医院での定期的なケア

セルフケアだけですべての汚れを取り除くことは不可能です。定期的に歯科医院に通い、セルフケアで取り残した汚れやプラークを掃除してもらうことが必要です。特に歯周病菌の住み家となる歯石は自分では取り除けませんので、プロの手で丁寧に取り除いてもらいます。
セルフ+プロのメンテナンスで、歯周病を寄せ付けない口腔環境をつくりましょう!

歯周病になって失うものは?

テレビのCM等でもよく聞く「歯周病」。なんとなく悪い病気だと思っていても治療すれば治ると、軽く考えている方はいらっしゃいませんか?実は、歯周病を治療しても、元どおりに戻らないものはたくさんあるのです。

歯ぐき、あごの骨、歯はもう元に戻らない!

下がった歯ぐき

歯周病によって歯ぐきが下がってしまった場合、歯周病の治療をしても、一度下がってしまった歯ぐきはもう元に戻ることはありません。薬用の歯磨き粉を使ったり、歯ぐきのマッサージをしても、効果はほとんどないでしょう。

歯ぐき下がると老けて見えるなどの見た目だけでなく、エナメル質がない歯根部分が露出するため、虫歯や知覚過敏などのリスクも上がってしまいます。

溶けたあごの骨

歯周病によってあごの骨が溶けてしまった場合も同様に、歯周病の治療をしても、溶けてしまった骨は自然に再生することはありません。歯周病が進行しあごの骨の破壊が進んでしまっている場合は、大切な歯まで失ってしまうことがあります。

ちなみに、インプラントを入れる場合は、あごの骨の量が足りないと、通常の手術の他に骨を追加する手術も必要となり、経済的にも精神的にも負担が増大します。

まとめ

-いかがでしたか?歯周病で失うものはたくさんあります。毎日のケアと歯科医院での定期検査で、歯周病にならない、再発させない健康なお口の状態をキープしていくことが大切ですね!ないという時はお気軽にお尋ねくださいね。お口の中を清潔に保ち歯周病を予防しましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯医者さんでのメンテナンス

2023年9月23日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日はインプラント治療後の方のための「歯医者さんでのメンテナンス」のお話と「メンテナンスに問題がある人は…」のお話です!

歯医者さんでのメンテナンス


自分の歯のように快適に噛めるインプラントですが、お口の中に入れて終わりではありません。その後のメンテナンスがとても重要。メンテンナスがきちんとできていないと、インプラント周囲炎になり最悪抜け落ちるという事態が発生することもあるのです。そこで今回はインプラントを入れた後のメンテナンス、特に歯科医院でのメンテナンスについて詳しくご紹介します。

▼自宅でのメンテナンスは?

歯ブラシを使った歯磨きに、歯間ブラシやデンタルフロスを使っ
たケアをプラスして食べ残しやプラークを除去します。

▼歯科医院でのメンテナンスは?

  • ・インプラントとお口の中全体をチェックします。
  • ・噛み合わせの確認と調整をします。
  • ・レントゲン撮影をしてあごの骨などの内部をチェックします。
  • ・日々のケアでは取り切れなかったプラークなどを落とします。

歯磨きがうまくできていない場合は、歯磨き指導も合わせて行います。

◎メンテナンス費用も事前に確認!

メンテナンスも自由診療である上、費用は医院によって違います。後で慌てないように、インプラントの治療前にきちんと確認しておくと良いですね。

メンテナンスに問題がある人は…

自分の歯と同じように噛めて、見た目も美しいインプラント。しかし、治療後のメンテナンス次第ではその寿命が短くなってしまうことも…。そこで今回は、せっかく入れたインプラントを長持ちさせるためのメンテナンスについてお話しましょう。

▼インプラント周囲炎がインプラントをダメにする!

インプラントをダメにする最大の原因がインプラントの歯周病「インプラント周囲炎」です。インプラントは人工物のため、虫歯になることはありませんが、天然の歯と違い歯根膜という組織がないために、歯ぐきへの血流が少なく、細菌に対する防御力が低いという一面があります。そのため、歯ぐきに炎症が起きやすく「インプラント周囲炎」が起きやすいのです。

▼インプラント成功の第一歩は手術直後のメンテナンス!

インプラントを入れたばかりの時期は不安定な状態です。お口の中を清潔に保つことはもちろん、傷口の治りを遅くし、インプラント歯周炎のリスクを高める喫煙も控えたほうが良いでしょう。

▼長持ちさせるためには…

インプラントの定着後もしっかりとメンテナンスをすることが重要です。ひとつは歯医者さんでのメンテナンス。咬み合わせの確認や調整、クリーニング等をしてもらいます。そして、日頃のメ
ンテナンスも大切。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなども使って汚れをしっかり落とし、インプラント周囲炎を予防していきましょう。

まとめ

いかがでしたか?インプラント治療には保証がついていることが一般的ですが、定期的なメンテナンスをしていないと、保証の対象外となることが多いので注意が必要。メンテナンスをしっかりしてインプラントを長持ちさせましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

マウスピース矯正のメリットとデメリット

2023年9月16日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院 院長 米山博彦です。
現在急速に普及しつつあるマウスピース矯正。矯正治療の難しさの敷居を下げた画期的な矯正方法と言われていますが、本当にそうなんでしょうか?
今回はマウスピース矯正のメリットとデメリットについて お話します。

従来の矯正とマウスピース矯正

「インビザライン」「クリアアライナー」「キレイライン矯正」など、最近耳にするようになったマウスピース矯正。皆さまはご存知でしょうか?歯科矯正と言えば、金属のワイヤーとブラケットを歯に付けるものが一般的でしたが、最近では透明なマウスピースをはめて歯並びを矯正する「マウスピース矯正」も選択肢のひとつになってきました。

マウスピース矯正が、従来の矯正と比べて大きく違うのは、やはり見た目。透明の矯正装置をつけるため人前でもストレスなく使用でき、取り外しが可能なため食事や歯磨きで不便を感じることもありません。しかし反面、間食しづらかったり、マウスピース着用中は飲み物が制限されるなどのデメリットも。

また、どの治療法にも得手不得手があるように、マウスピース矯正にも得意な症例と不得意な症例があります。歯科矯正を検討されている方は、ご自分の歯並びにあった矯正方法は何か?生活に支障はないか?などを
見極めることが大切ですね。歯科矯正にご興味がある方はお気軽にご相談ください!

インビザラインとワイヤー矯正の違い

マウスピース矯正の特徴は?

外見と快適さ

インビザラインは透明なプラスチック製のマウスピース(アライナー)を使用して歯列矯正を行います。

これに対して、ワイヤー矯正は金属製のブラケットとワイヤーを使用します。インビザラインは透明で目立ちにくく、取り外し可能なため、外見的に目立たず、食事や歯磨きが容易です。一方、ワイヤー矯正はブラケットとワイヤーが目立つことがあり、食事や歯磨きに制約があります。

修正できる不正咬合の範囲

インビザラインは軽度から中等度の不正咬合に適しています。前歯の傾きや間隔の修正、歯の混み合いや隙間の縮小など、比較的簡単な修正に効果的です。

ワイヤー矯正は、より広範囲で複雑な不正咬合を修正することができます。重度な混み合いや噛み合わせの問題など、より重要な修正が必要な場合には、ワイヤー矯正が一般的に選択されます。

治療の期間と進行方法

一般的に、インビザラインの治療期間はワイヤー矯正よりも短いことがあります。インビザラインは、透明なアライナーを進行することによって歯を少しずつ移動させていきます。

ワイヤー矯正では、ブラケットとワイヤーの調整によって歯を移動させます。

矯正の可視性

インビザラインは透明なアライナーを使用するため、一般的に目立ちにくいです。

これに対して、ワイヤー矯正は金属製のブラケットやワイヤーが目立つことがあります。特に成人や外見に敏感な人にとって、インビザラインは見た目への影響を最小限に抑えることができます。

取り外し可能性

インビザラインのアライナーは取り外し可能であり、食事や歯磨きの際には簡単に外すことができます。

これに対して、ワイヤー矯正は固定されており、矯正装置を取り外すことはできません。アライナーを外すことで、食事や日常の活動をより自由に行うことができます。ただし、アライナーの使用時間を守ることが重要であり、継続的な装着が必要です。

矯正の管理と調整

インビザラインの場合、歯科医は進行中の治療を管理するために定期的に新しいアライナーを提供します。患者は一定期間ごとにアライナーを交換し、歯の移動を進めます。

ワイヤー矯正では、歯科医が定期的な調整を行い、ブラケットやワイヤーを調整して歯の移動を管理します。

維持と清掃

インビザラインのアライナーは取り外し可能であるため、歯の清掃やアライナーの清潔さを維持することが比較的容易です。患者はアライナーを取り外して歯を磨くことができ、アライナー自体も洗浄することができます。

ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーが固定されているため、清掃がやや困難になることがあります。特に歯間の清掃には追加の努力が必要です。

応急処置と修正

インビザラインのアライナーが破損した場合や失われた場合、歯科医は新しいアライナーを提供できます。

一方、ワイヤー矯正では、ブラケットが取れたりワイヤーが曲がったりした場合には、歯科医の処置が必要です。ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが直接歯に取り付けられているため、修正や修復が必要になることがあります。

まとめ

以上がインビザラインとワイヤー矯正の主な違いです。どちらの方法が最適かを決定するには、患者の不正咬合の状態、治療目標、個人の好み、ライフスタイルなどを考慮する必要があります。
ドクターは、患者の個別の状況に基づいて最適な矯正方法(ワイヤーかマウスピースかまたは2つの装置の併用か)を提案することがあります。

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯周病予防の正しいセルフケア

2023年9月9日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病予防の正しいセルフケア:1』と、「歯周病予防の正しいセルフケア:2』についてお話したいと思います。

歯周病予防の正しいセルフケア・1

歯周病は歯の周りの組織に細菌感染が起こる病気です。歯肉の炎症や出血からはじまり、歯を支えているあごの骨が溶け、最終的には大切な歯が抜けてしまいます。そんな歯周病を予防するために大切なのは、毎日のセルフケア。その中で基本となるのが歯ブラシでのブラッシングです。そこで今回は、ブラッシングで使用す歯ブラシの選び方について詳しくご紹介していきましょう!

歯ブラシの選び方で口内環境が変わる!

<ヘッド・毛先・硬さで見つける自分用歯ブラシ>

自分に合う歯ブラシって?と店頭などで悩まれた経験はありませんか?誰もが使う歯ブラシですが、その選び方まで熟知していらっしゃる方は少ないのではないでしょうか?

歯ブラシを選ぶ第1のポイントはヘッドの大きさ。小さめヘッドのほうがお口の中で小回りがきき、細かな部分まで磨けます。第2に毛先がフラットであること。ギザギザの形状のものより、歯に均等にブラシが当たり汚れが良く落ちます。3番目は「やわらかめ」「ふつう」「かため」と区別される毛の硬さ。一般的には「ふつう」でOKですが、歯ぐきに痛みがある場合はやわらかめを使用するなど、その時どきで使い分けるとベストです。

いかがでしたか?せっかく歯磨きをしても合わない歯ブラシでは効果が半減します。こちらの歯ブラシの選び方を参考に、ぜひ自分のお口の状態に合った歯ブラシを探してください。どれが良いのか分からないという時はぜひお気軽にご相談を。私たちといっしょに歯周病になりにくい口内環境をつくっていきましょう!

歯周病予防の正しいセルフケア・2

歯周病は歯の周りの組織に細菌感染が起こる病気です。歯肉の炎症や出血からはじまり、歯を支えているあごの骨が溶け、最終的には大切な歯が抜けてしまいます。そんな歯周病を予防するために大切なのは、毎日のセルフケアです。そこで今回は、前回お伝えした歯ブラシの選び方に続き、歯磨きのタイミングついて詳しくお話しましょう!

毎日の歯磨き。磨くタイミングは?

■毎食後の歯磨きはいつがベスト?

食後30分以内の歯磨きはNGという情報をお聞きになったことがあるかもしれません。しかし、これは、酸性食品を摂取した直後の注意のため、通常、食後は早めに歯磨きをしてお口の中の食べかすなどを取り除き歯周病菌が住みにくい環境をつくることが大切です。

■朝の歯磨きはいつ?

皆さんは、起床後すぐに磨きますか?それとも朝食を食べてからでしょうか?お口の中の細菌は就寝中に増えているため、そのまま朝食を食べてしまうと、細菌を体内に取り込むことに。起床後はすぐに歯磨きやうがいをすることをオススメします。
そして、朝食後の歯磨きも忘れずに行い、お口の清潔を保ちます。

■寝る前の歯磨きは十分に!

就寝中は唾液の分泌が減り細菌が増えやすい状態になるため、就寝前の歯磨きこそ、一日のうちで一番念入りに行いたいタイミングです。歯間ブラシやフロスなども併用して丁寧にケアしましょう。

よねやま歯科医院院長 米山博彦

よねやま歯科ニュースレター9月号

2023年9月5日

ニュースレター9月号はこちら

 

今年は強烈な暑さの日々が続き、ほんとに大変でしたね!昼間は40℃に迫る危険な暑さで、外に居るだけで幻暈がしそうな状態でした。9月から秋にかけて少しは涼しくなってくれることを祈りたいです。

今月のこの写真は何かわかりますか? オニヤンマのブローチなんですが、これからのアウトドアに役立つアイテムなんです。キャンプやハイキング、ゴルフもそうですが、山や林にはスズメバチやブヨとかの害虫に遭遇することがよくあります。最悪刺されたりして大変ですが、このブローチを身につけているとスズメバチなんかは寄ってきません! なんでもオニヤンマは昆虫界最強でスズメバチも食べてしまうらしく天敵なんだそうです。行楽だけでなく庭いじりや畑仕事中も効果絶大だそうです。私はゴルフのキャップにつけようと思います。

ニュースレター9月号の話題(お話)は

1『歯周病のお口の匂いを治すには!』

「タマネギが腐ったようなニオイ」「腐った卵のようなニオイ」などと言われる歯周病によるニオイ。強烈なニオイは周囲に迷惑をかけることも多いため、きちんと対策することが大切です。

◆歯科医院で治療することからスタートしましょう!

まずは、歯周病の治療をすることが先決です。ニオイの根本的な原因である歯周病を治さなければ、どんなケアをしてもニオイは発生します。歯石を除去し、歯のクリーニングをすることで歯周病菌の住みにくい環境をつくります。

◆正しいセルフケアを続けましょう!

普段の歯みがきは、歯ブラシに加え、歯間ブラシやデンタルフロスも活用して、歯間部の汚れもしっかり取り除きましょう。歯周病菌の活動抑制が期待できる歯みがき剤を使うのもオススメです。食事の度に歯磨きするのが理想的ですが、無理な場合は寝る前の歯みがきをしっかり行いましょう。

◆定期的にプロによるケアを受けましょう!

セルフケアだけでお口の中の汚れを100%取り除くことは困難です。定期的に歯科医院でクリーニングすることで、歯周病の進行を抑え予防していきます。このように、歯周病を治療し歯周病菌の数を減らすことができれば、歯周病独特の嫌なニオイは軽減されます。気になる症状がある方は、お早めにご来院くださいね!

2『「フェストゥーン」ってなんですか?』

「フェストゥーン」というのは、歯ぐきの縁がロール状に盛り上がった状態をいいます。主な原因は、歯の磨きすぎ「オーバーブラッシング」です。硬い歯ブラシの使用や、強いブラッシング圧、長時間の歯みがきなどにより、歯ぐきの縁がロール状に盛り上がった状態になってしまうのです。

その他、歯磨きがおろそかになっている時も、フェストゥーンができやすくなります。お口の中にプラークが溜まり、それが歯ぐきを刺激することでフェストゥーンができやすくなるのです。フェストゥーンがある方は、歯ブラシの毛の硬さや、磨く時の力加減、磨く時間などに注意してみてくださいね。なかなか改善しないという方や、気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください!

 

3『とりあえずインプラント!』は危険!

むし歯や歯周病などで歯を失ってしまったら、皆さまはどんな選択をしますか?あまり深く考えず、「とりあえずインプラントを入れよう」と決めるのは、危険かもしれません。

★歯を失った原因をきちんと特定できていますか?

なぜ、歯を抜かなければならなくなったのでしょう?あるいは抜け落ちてしまったのでしょうか?

「むし歯を放置して悪化してしまった」「歯周病で歯がグラグラになり抜けてしまった」「嚙み合わせが悪くて歯がひび割れて抜くことになった」など、患者様により歯を失う原因は様々です。その原因を特定し、同じことを繰り返さないための対策を講じないままでは、インプラントを入れても、後々トラブルを抱える可能性があります。

例えば、メンテナンス不足で歯周病が悪化し歯を失った場合、インプラント治療後も同様の習慣を続けていれば、インプラントの歯周病といわれる「インプラント周囲炎」になるリスクが高まります。天然歯に比べインプラントは炎症への抵抗力が低いため、一度細菌に感染すると急速に進行し、気が付いたときには重症化しているケースも多いのです。

このように、歯を失った時は、その原因をきちんと特定し今後の対策を考え、自分に合った治療法を選択することが大切です。疑問や不安のある方はお気軽にお聞きくださいね!

是非ご覧ください

歯ぐきから出血!これって歯周病?

2023年9月2日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯ぐきから出血!これって歯周病?』と、「歯周病が新型コロナの感染リスクを高める?!』についてお話したいと思います。

歯ぐきから出血!これって歯周病?!

皆さまは歯磨きのときなどに歯ぐきからの出血はありませんか?出血の原因は、強すぎるブラッシングや病気の治療のため抗凝固剤を服用しているなど様々ありますが、ほとんどの場合、歯周病が原因だと言われています。

歯ブラシだけでは不十分!磨けているのは約6割!

■歯周病で歯ぐきに炎症が

歯周病になるとお口のなかにいる歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、少しの刺激で出血しやすくなります。自覚症状が出にくく静かに進行する歯周病は、「サイエントキラー」ともいわれる病気。歯ぐきからの出血は歯周病のもっとも分かりやすいサインなのです。

■最終的には歯がポロリ!

すでに出血のサインがある場合は、早めに歯科医院を受診することをオススメします。放置すると、歯ぐきだけでなく歯を支えているあごの骨まで溶かされ、最終的には歯がポロリと抜け落ちてしまうことも…。

■命をも狙う病気!

さらに恐ろしいのが、歯周病は歯を失うだけでなく、私たちの命さえも狙う怖い病気だということです。歯周病菌が血管の中に入り込むと体内で様々な悪さを働き、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの命に関わる病気のリスクも高まると言われています。

歯ぐきから出血がある方はぜひお早めにご来院ください。初期に治療を始めるほど、治療時間も費用も少なくて済みます。私たちといっしょに歯周病になりにくい口内環境をつくっていきましょう!

新型コロナの感染リスクを高める!?

世界中に新型コロナウイルス感染症が広がり、収束のきざしが見えない今。日々、さまざまな不安や不便を感じていらっしゃる方が多いと思います。その新型コロナ、実は歯周病に関係が深いということをご存知ですか?今回は歯周病と新型コロナウイルスの感染についてお話したいと思います。

歯周病菌が感染を手助け!

ちょっと専門的なお話になりますが、新型コロナウイルスは「ACE2受容体」というレセプターにくっついて私たちの体内に侵入します。レセプターというのは、細胞表面や内部にあって、ウイルスなどと結合するもののことです。「ACE2受容体」は体内のあらゆる場所に存在しますが、お口の中の粘膜にも多く存在すると報告されています。

そして、もう一つ重要なことは、歯周病菌が作り出すタンパク質を分解する酵素(プロテアーゼ)は、ウイルスが粘膜細胞の中に入り込むことをたやすくしてしまう働きがあるということです。歯磨きなどのメンテナンスが行き届かず、歯周病菌の数が多くなると、新型コロナの感染リスクも高まってしまいます。

つまり、「ACE2受容体」が多く存在し、なおかつ不潔になりやすいお口の中は、新型コロナ感染リスクが高い場所と言えるでしょう。マスクや手洗いうがいなどに加えて、お口の中を清潔に保つことが新型コロナの感染対策にも有効です。日々の歯磨きはもちろん、歯科医院での定期的なメンテナンスでお口の中を清潔に保ちましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯ぎしりや食いしばりで歯周病が悪化!

2023年8月26日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯ぎしりや食いしばりで歯周病が悪化!』と、「歯周病が肥満につながる?!』についてお話したいと思います。

歯ぎしりやくいしばりで歯周病が悪化!

「ブラキシズム」と呼ばれる歯ぎしりやくいしばり、皆さまはありませんか?通常の食事の際に歯にかかる力に比べて非常に強い力のかかる「ブラキシズム」は、さまざまな悪影響があります。そこで今回は、歯ぎしりやくいしばりが体におよぼす影響について考えてみたいと思います。

気づかないうちに、歯や歯周組織がダメになる!

■そもそも、歯ぎしり・くいしばりとは?

歯ぎしりは、上下の歯を噛み合せた状態で、横に擦り合わせるように動かす癖のことです。睡眠中にすることが多く、音がするため家族からの指摘でわかることがあります。くいしばりは、上下の歯を強くかみしめる癖です。睡眠中以外にも、何かに集中しているとき無意識にしていることが多いです。

■短期間で歯周病を悪化させる!

この「ブラキシズム」が及ぼす悪影響は、歯のすり減りや亀裂、知覚過敏などのほか、歯を支える歯周組織にも大きなダメージを与えるため、短期間のうちに歯
周病が悪化してしまう危険があること。歯周病にかかっている方は要注意です!

■治療方法は?

「ブラキシズム」を軽減させるには、原因のひとつと言われるストレスを減らすこと。そして、日常生活の中でのくいしばりを自覚して意識して直すことも大切です。改善しない場合は歯科医院でマウスピースをつくる方法もあります。「ブラキシズム」で悩んでいる方はお気軽にご相談くださいね!

歯周病が“肥満”につながる?!

歯ぐきの炎症などから始まり、あごの骨を溶かし、最後には大切な歯を失ってしまう歯周病。最近では全身の病気とも関係が深いことがわかってきました。そんな歯周病が「肥満」と関係があるという実験報告があります。そこで今回は、歯周病と肥満の関係を少しご説明してみましょう。

歯周病菌の内毒素で脂肪が増加!

歯周病の原因になる歯周病菌。これは内毒素という毒素を持っています。この毒素は歯ぐきの炎症部分から血液中に入り込みいろいろな悪さをします。
あるマウスを使った実験では、歯周病菌が出す毒素をマウスの体内に入れたところ、肝臓と脂肪組織に脂肪がつき、マウスの体重が増加したという結果が出ました。この実験から、歯周病がある方は肥満になりやすいということがわかります。

また、肥満になると、血液中の糖をエネルギーに変えるインスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなることで、深刻な合併症の危険がある糖尿病を発症するリスクも上昇するのです。

まとめ

いかがでしたか?歯周病はお口の中にとどまらず、肥満や糖尿病など全身の健康にも密接につながっています。そんな歯周病を予防するには、お口の中の歯周病菌を減らすことが大切です。毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なクリーニングで歯周病を予防していきましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯周病予防の正しいセルフケア:3、4

2023年8月19日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病予防の正しいセルフケア:3』と、「歯周病予防の正しいセルフケア:4』についてお話したいと思います。

歯周病予防の正しいセルフケア・3

歯周病は、お口の中の不衛生が原因で歯周病菌が増え、歯ぐきが腫れたり出血を繰り返し、歯を支えるあごの骨が溶けて歯を失ってしまう怖い病気です。そんな歯周病を予防するためには、毎日のセルフケアでプラークを取り除くことが重要。そこで今回は、これまでお伝えした歯ブラシの選び方や磨くタイミングに続き、磨き方のコツについてご紹介します!

磨き残しをつくらない磨き方のコツ

★まずは、自分の歯の形や歯並びなどを知ることが大切。
鏡の前でチェックしてみましょう。
★歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、奥歯の噛み合わせの溝などは磨き残しやすい場所です。この部分は特に意識して1本1本を丁寧に磨きます。
★奥歯のまわりは歯ブラシが入りにくい危険ゾーン。
歯ブラシを縦やななめに持ちきちんと当てて磨きます。
★前歯の裏側も磨きにくい場所です。歯ブラシを縦にして、ブラシの先やかかとを使って磨きましょう。
★歯並びが凸凹しているところは、歯ブラシを縦にして、上下に細かく動かして磨きます。
★歯と歯ぐきの境目は、45度の角度に毛先を当て、毛先を入れ込むように小刻みに動かすのがポイントです。

いかがでしたか?きちんと磨いているつもりでも、意外と磨き残しはあるものです。歯科を受診の際は、ご自分のお口の中で磨き残しが発生しやすい場所などを、ぜひお気軽にお尋ねください。毎日の歯磨きが効果的にできると思いますよ!

歯周病予防の正しいセルフケア・4

歯肉の炎症や出血からはじまり、歯を支えているあごの骨が溶け、最終的には大切な歯が抜けてしまう恐ろしい病気、歯周病。そんな歯周病を予防するためには、毎日のセルフケアでプラークを取り除くことが重要です。そこで今回は、これまでお伝えした歯ブラシの選び方や磨くタイミング、磨き方のコツに続き、歯ブラシ以外の清掃用具についてご紹介します!

歯ブラシだけでは不十分!磨けているのは約6割!

歯周病を予防するためには、歯ブラシのケアだけでは不十分ということをご存知ですか?実はおよそ6割しか磨けていないと言われています。すべての歯をきちんと磨くには、歯ブラシ以外の補助用具も必要です。

★歯間ブラシ
自分の歯間に合ったサイズの歯間ブラシを使用し隙間に
たまった汚れを取り除きます。ブラシの角度や持ち手の長
さなどいろいろありますので磨きやすいものを選びます。
★デンタルフロス・糸ようじ
歯間ブラシが入りにくい歯間を磨く際に使います。初め
ての方には取っ手がある糸ようじが使いやすいかもしれま
せん。ゆっくりと前後に動かし汚れを取り除きます。
★タフトブラシ
ブラシの小さいタフトブラシは、細かい場所に上手に入り込みポイントを絞って磨くことができます。
親知らずや歯並びが凸凹しているところ、前歯の裏側などにもピタッと合ってキレイにできますよ。

いかがでしたか?歯ブラシ以外の清掃用具もぜひ使ってみてください。自分に合うものが分からないという時はお気軽にお尋ねくださいね。お口の中を清潔に保ち歯周病を予防しましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯医者さんで歯石をとる時の流れは?

2023年8月12日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯医者さんで歯石をとる時の流れは?』と、「実は歯周病菌は空気が嫌い!』についてお話したいと思います。

歯医者さんで歯石を取るときの流れは?

歯石を取ってもらいたいけど、「歯石取りってどんなことするの?」という不安から、なかなか歯科医院に足が向かないという方もいらっしゃるかと思います。歯石そのものに害はないですが、歯石をすみかとして歯周病菌などの細菌類も増えていきますので、歯石を除去することはとても大切。そこで今回は一般的な歯石取りの流れをご紹介したいと思います。

プロービング~スケーリング~ルートプレーニング

■診察やプロービング

まずはお口の状態をチェックします。歯や歯ぐきの状態を診察し、歯周ポケットの深さを測るプロービングや、歯と歯ぐきの状態を確認するためにレントゲンを撮影し歯周病の進行具合を確かめます。

■スケーリング

次は、歯ぐきの縁の上側についた歯石を取り除くスケーリングを行います。手動で行うハンドスケーラーや、音波や空気圧で歯石を剥がして水で流し去る超音波スケーラー等の専用器具を使い歯石をとっていきます。

■ルートプレーニング

歯石には2種類あります。歯ぐきの縁より上についた白っぽい色の歯石と、歯周ポケット内部についた血液成分などが混じった黒っぽい歯石です。ルートプレーニングでは、歯周ポケット内部で歯根に固くこびりついた歯石を専用の道具で取り除いていきます。

セルフケアだけで歯石を防ぐことは厳しいのが現実です。ぜひ、歯科医院で歯石を取ってもらってくださいね。定期的なチェックで歯周病などになりにくいお口の環境をつくりましょう!

実は、歯周病菌は空気がキライ。

歯肉の炎症や出血からはじまり、歯を支えているあごの骨が溶け、最終的には大切な歯が抜けてしまう病気、歯周病。最近では全身の病気とも関わりがあることがわかってきています。その原因となる歯周病菌のほとんどは「嫌気性菌(けんきせいきん)」で空気を嫌う性質を持っています。そのため、歯周病菌が住みつくのは空気が届きにくい所。歯周ポケットなどのような場所なのです。

深い歯周ポケットが絶好の住み家!

健康な方の場合、歯周ポケットは2~3mm程度で歯周病菌は留まりにくいのですが、お口のケアが不十分だったり、不規則な生活をしている方の場合は、歯周ポケットが4~5mmになり、歯周病菌が住みやすい状態になっています。住みついた歯周病菌はどんどん悪さをし、歯周ポケットを深くしていきながら、あごの骨まで溶かしていきます。

このような負のスパイラルに陥らないためには、住み家となる歯周ポケットが深くならないようにすることです。必要なのは、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的な検査。すでに歯周病が進行している方の場合は、歯科医院で歯周ポケットの中にある歯石やばい菌を取り除く治療から始めて、着実に歯周ポケットを浅くしていきます。

いかがでしたか?肥満や糖尿病など全身の健康にも密接につながる歯周病。歯科医院との二人三脚で歯周病菌が住みにくいお口をつくっていきましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

インプラント最大のメリット×最大のデメリット

2023年8月5日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日はインプラント治療を検討されている方のための「インプラント最大のメリット×最大のデメリット」のお話と「インプラントに影響する全身疾患は?」のお話です!

インプラント最大のメリット×最大のデメリット

今回はインプラント治療で得られる最大のメリットとデメリットを考えてみたいと思います。様々なメリット・デメリットがありますが、今回私たちが選んだのはこちら。インプラント治療に興味がある方は、ぜひ参考にされてくださいね!

<メリット>

★食べ物をしっかりと噛むことができる!
なんと言っても、インプラントにして良かったと思えることは、何でもしっかりと噛めるようになることでしょう。特に高齢の方にとって、自分の歯と同じように噛んでお食事を楽しめることは、大きな喜びです。

ちなみに、「噛む力」は、部分入れ歯を入れた場合は自分の歯の30~40%の力、総入れ歯なら10~20%、ブリッジでは60%程度、インプラントの場合は自分の歯とほぼ同じと言われています。

<デメリット>

★外科的手術が必要である!
入れ歯やブリッジによる治療と違い、外科手術が必要となります。基本的な治療法では、歯ぐきを切開しあごの骨に穴を開け、そこにインプラント体を埋め込む手術が必要となるため、心身ともに大きな負担を感じるかもしれません。また、インプラントをするために十分な骨の量がない場合には、骨を増やすための外科手術も必要となることがあります。手術が必要な治療法のため治療期間もおのずと長くなります。

今回ご紹介したインプラントのメリットとデメリットは
いかがでしたか?お口の状態は一人ひとり違います。インプラント治療を考えていらっしゃる方は、歯科医師と十分に話し合ってくださいね。ご自分にあった治療法を一緒に見つけていきましょう!

インプラントに影響する全身疾患は?

インプラント治療は骨の成長が終わった人なら誰でもできると思われがちですが、全ての人が治療できるというわけではないのです。そこで今回は、インプラントに影響がある全身疾患についてお話します。

★糖尿病

糖尿病の患者様は、傷口が細菌に感染しやすく、傷が治りにくいというリスクがあるため、インプラントの治療は難しくなります。また、骨を作る機能が低下するため、骨に埋め込むインプラント体とうまく骨結合できなくなることもあります。しかし血糖コントロールができている方の場合は治療可能となるケースもあります。

★腎臓病

免疫力が低下してしまう腎臓病も、傷が治りにくかったり、骨結合が難しい場合があります。

★心臓病

狭心症や心筋梗塞の経験がある方などは、血液をサラサラにする薬を服用している可能性があります。これにより、血が止まりづらくなることがあるので注意が必要です。

★骨粗しょう症

骨粗しょう症の薬で、ビスホスフォネート(BP)製剤を服用している患者様は、抜歯などの外科処置をした際に、顎の骨の露出や壊死、炎症が悪化するなどの副作用がでることがあります。しかし、服用を中止することなどで治療が可能になるケースもあります。

いずれの疾患の場合も、主治医や歯科医師にきちんと相談することが大切です。全身のことも十分に考え、安全なインプラント治療をしていきましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦