こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は「インプラントを長寿化させる方法①②③」のお話を続けてお届けしたいと思います。
インプラントを長寿化させる方法①
~歯科医院での定期メンテナンス~
自分の歯のように噛めて見た目も美しいインプラント。治療費も高額になりますので、入れた後はできるだけ長持ちさせたいものですよね。そこで今回は、インプラントを長寿化させるために重要な「定期メンテナンス」についてお話したいと思います。
<なぜ必要?歯科医院での定期メンテナンス>
普段から定期的に歯科医院で歯周病や虫歯になっていないかなどチェックしてもらうことは大変大切なことですが、インプラントの場合もそれと同様、あるいはそれ以上に定期的なメンテナンスは重要です。
というのも、インプラントはインプラントの歯周病ともいえる「インプラント周囲炎」になりやすいから。インプラント周囲炎は自覚症状を感じにくいため、気づいた時には重症化し、最悪の場合はインプラントが脱落し、再手術になってしまうこともあるのです。
<メンテナンスではどんなことをする?>
インプラント周囲炎の症状の有無や、噛み合わせ、インプラントの動揺度、歯周ポケットの深さなどをチェック。ブラッシング指導やPMTCなどのクリーニングも行います。およそ3ヶ月から半年に一度程度を目安に
歯科医院に通っていただきます。
<費用はどれくらい?>
1回につき3000~5000円程度です。
メンテナンス次第でインプラントの寿命は大きく変わってきます。インプラントを検討されている方はメンテナンスのことも含め、ご自分にとって最適な治療法をじっくり考えることが大切ですね!
インプラントを長寿化させる方法②
~禁煙~
見た目も美しく自分の歯のように快適に噛めるインプラント。治療費も高額になりますので、できるだけ長持ちさせたいものですよね。そこで今回は、インプラントの寿命を大きく左右する生活習慣「喫煙」についてお話したいと思います。実は、タバコはインプラント治療における最大の敵なのです!
≪タバコがインプラントに良くない理由は?≫
◆インプラントと骨が結合しにくくなる!
インプラント手術後は、自分の骨とインプラントが結合するまでしばらく時間がかかります。しかし、喫煙するとタバコに含まれるニコチンが血管を収縮させて血流が悪くなり、骨とインプラントがくっつきにくくなります。また、喫煙は免疫力をつかさどる白血球の活動を抑制してしまうため、感染リスクも上がり、手術の成功率を下げてしまいます。
◆インプラント周囲炎になりやすくなる!
インプラントの歯周病ともいえるのが「インプラント周囲炎」。
歯周病より悪化する速度が速くインプラントが脱落する大きな原因になっています。喫煙者はお口の中の唾液が減少する傾向にありますが、唾液は洗浄・殺菌作用があるため、その唾液が減ることで、お口の中の細菌が増え、インプラントの周囲に炎症を起こしてしまうリスクが上がるのです。
このように喫煙はインプラントの命を縮める可能性があります。インプラントを検討されている方は、禁煙できるかを含め、ご自分にとって最適な治療法を考えてみましょう!
インプラントを長寿化させる方法③
~歯ぎしり・食いしばり~
インプラントは入れ歯やブリッジに比べ寿命の長い治療法で、約9割の人が10~15 年インプラントが正常に機能している状態で使い続けていると言われています。しかし、インプラントの寿命を縮めるリスクが存在するのも事実。そのひとつが「歯ぎしり・食いしばり」です。
◆大きな力がかかる「歯ぎしり・食いしばり」
無意識のうちに行っている歯ぎしり・食いしばりは、とても大きな力が歯にかかります。歯周病や知覚過敏、顎関節症などさまざまな悪影響があり、インプラントにも大きなリスクとなります。
◆インプラントには歯根膜がない!
歯ぎしり・食いしばりの影響を大きくしてしまう原因のひとつが、インプラントには天然の歯にある歯根膜がないことです。歯根膜というのは歯とあごの骨の間にある薄い膜で、噛んだ時にさまざまな方向から生じる力を和らげ、あごの骨や歯に過剰な力が加わらないようにしています。
そのクッションのような働きをする歯根膜がないため、歯ぎしりや食いしばりによる衝撃があごの骨やインプラントにダイレクトに働き、インプラントのパーツがゆるんだり人工歯が欠けてしまうなどのトラブルが起きることがあるのです。
このように「歯ぎしり・食いしばり」はインプラントの寿命を縮める大きな原因になります。そのため夜寝る時に装着する「ナイトガード」というマウスピースなどの対策が必要となってきます。
よねやま歯科医院院長 米山博彦