こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は「 セルフテェックで早期発見!インプラント周囲粘膜炎」のお話をお届けしたいと思います。
インプラントを埋め込んだ周囲の組織が炎症を起こし、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまうという怖ろしい病気、インプラント周囲炎。インプラントの歯周病とも言える疾患で、自覚症状が少なく進行が速いため、インプラント治療をした方は特に注意が必要です。今回は、そんなインプラント周囲炎の初期段階についてお伝えします。
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◆インプラント周囲粘膜炎
インプラント周囲炎の初期の状態を「インプラント周囲粘膜炎」と言います。インプラントを支えるあごの骨の破壊は起きていませんが、自覚症状に乏しく気づかないうちに悪化しやすいため、早期に発見して治療することが肝心。インプラントを入れている方は、下記のような症状がないか、こまめにチェックすることが大切です。
・インプラント周りの歯ぐきが赤くないか?腫れていないか?
・歯磨きや歯間ブラシの際に出血しないか?
インプラント周囲粘膜炎は、放置すると骨が溶ける「周囲炎」に進行してしまいますが、この段階で発見できれば、適切なケアで元の健康な状態に戻すことができます。
痛みがない初期段階を見逃さないための、10のセルフチェック項目をまとめました。
インプラント周囲粘膜炎のセルフチェック10
鏡の前で、明るい場所でチェックしてみてください。
- 歯みがき時の出血:インプラントの周りを磨いたとき、歯ブラシに血がついたり、うがいをしたときに血が混じったりしませんか?健康な歯ぐきからは出血しません。
- 歯ぐきの色の変化:インプラントの周りの歯ぐきが、健康なピンク色ではなく「赤色」や「どす黒い赤色」になっていませんか?
- 歯ぐきのぷっくりとした腫れ:歯ぐきのキワが丸く腫ぼったくなっていたり、ブヨブヨした感じはありませんか?
- フロス・歯間ブラシの「臭い」:インプラントの隙間に通したフロスや歯間ブラシを嗅いでみて、以前にはなかった「嫌な臭い」がしませんか?
- 指で押したときの違和感:インプラントの根元の歯ぐきを指で軽く押したとき、じわっとした不快感や、わずかな痛みを感じませんか?
- 歯ぐきが浮いたような感覚:疲れているときなどに、インプラントの周りがムズムズしたり、浮いているような違和感を覚えたりしませんか?
- 食べ物の詰まりやすさ:最近、急にインプラントの周りに食べかすが詰まりやすくなったと感じませんか?(歯ぐきの腫れで隙間の形が変わっているサインです)
- 粘つく唾液(ネバつき):朝起きたとき、インプラントの周辺が特にネバついたり、口の中が苦く感じたりしませんか?
- 鏡で見たときの「形」の変化:インプラントの被せ物と歯ぐきの境目が、以前より「盛り上がって」見えませんか?
- プラーク(白く柔らかい汚れ)の付着:インプラントのキワに、白くてベタベタした汚れが残っていませんか?これがついている状態は、すでに炎症予備軍です。
もし当てはまる項目があったら?
3個以上当てはまる場合や、「出血」がある場合は、粘膜炎が始まっている可能性が高いです。以下の応急処置を行い、早めに歯科医院を受診してください。
- 刺激を避ける:硬い歯ブラシでゴシゴシ擦らず、柔らかめのブラシで優しく汚れを落としてください。
- 殺菌成分入りの洗口液:刺激の少ない(ノンアルコールなど)殺菌成分配合のうがい薬で、口内の細菌数を減らしましょう。
- 歯科でのプロケア:セルフケアだけでは、歯ぐきの中に入り込んだ細菌を完全に取り除くことはできません。
アドバイス
粘膜炎は「骨が溶ける前」の最終警告です。この段階で歯科医院に行けば、専門的な洗浄(プロフェッショナルケア)だけで比較的簡単に治ります。
インプラント周囲粘膜炎が進行すると、歯ぐきから膿が出たり、歯ぐきが下がったりしてきます。悪化するとあごの骨が溶け、最終的にはインプラントが脱落してしまいます。インプラントを長持ちさせるには、インプラント周囲炎にならないことが一番ですが、なってしまっても初期段階で気づき適切な治療を行うことが大切なのです。
よねやま歯科医院院長 米山博彦
