こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病になりやすい人はどんな人?』と、
「口臭の原因は歯周病だった!』についてお話したいと思います。
「糖尿病」と「歯周病」の意外な関係
糖尿病と歯周病。全身の病気とお口の中の病気のため、お互いが影響し合うイメージがないかもしれません。でも、この2つの病気には深いつながりがあるのです。糖尿病と歯周病、それぞれの側からどのような悪影響があるのか見ていきましょう。
(そもそも糖尿病とは…)血糖値を安定させるホルモン「インスリン」が十分に働かず、血液中を流れる糖が増えてしまう病気。血液中の糖濃度が高い状態
(高血糖)が続くことで、全身の血管が痛めつけられ、
様々な合併症を引き起こしやすくなります。
◆糖尿病⇒歯周病
糖尿病になると、お口を洗浄・殺菌する働きのある
唾液の分泌量が低下し、歯周病の原因菌などの活動
も活発になります。その上、体の抵抗力や免疫力も
低下するため、歯周病などの感染症になりやすく、
治りにくくなってしまいます。
◆歯周病⇒糖尿病
歯周病になると、炎症性物質(TNFa)が大量に作られます。すると、インスリンの働きが抑制され、
血糖コントロールができなくなり、高血糖状態になりやすくなるのです。
悪影響を及ぼしあう2つの病気ですが、歯周病を適切に治療することで糖尿病の改善が期待でき、
反対に、糖尿病の改善が歯周病の改善につながることも分かってきました。お口の中の健康も全身の健康も十分に気をつけ、2つの病気の負のスパイラルに引き込まれないようにしましょう!
歯周病が全身におよぼす影響は?
~心臓の病気~
歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、あごの骨などの歯周組織が溶けて、最終的には歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。そんな歯周病、お口の中だけにとどまらず、さまざまな全身疾患を引き起こすことが明らかになってきました。今回は歯周病と心臓血管疾患との関わりをお話しします。
◆血管に悪さをして命をおびやかす!
歯周病の方は歯ぐきが常に炎症を起こしており、歯
ぐきの血管から細菌が体内に侵入しやすい状態です。
お口の中にいる歯周病菌も侵入しやすく、歯ぐきの
血管から侵入すると、その刺激により動脈硬化を誘
発する物質が作られ、血管内にプラークが溜まり、
血液の流れが悪くなってしまうのです。
さらに、このプラークが剥がれて血の塊ができると、
狭心症や心筋梗塞の発症リスクが高まります。
このような状態は全身のあらゆる血管で起きる可能性があるため、心臓だけでなく脳卒中などの発症リスクも上昇してしまいます。
◆セルフケアとプロによるケアで歯周病予防!
このように、心臓血管疾患のリスクを上げる要因のひとつが、歯周病なのです。まずは、歯ブラシに歯間ブラシやデンタルフロスもプラスして、普段の歯みがきをしっかり行いましょう。
また、定期的に歯科医院でクリーニングを行うことも大切です。命をおびやかす危険がある歯周病、
私たちと一緒に予防していきましょう!
よねやま歯科医院院長 米山博彦