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インプラントと天然歯の大きな違い

2024年4月13日

よねやま歯科医院 インプラントブログ
こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は「インプラントと天然歯の大きな違い」と「インプラント周囲炎と歯根膜」についてお話したいと思います。

インプラントと天然歯の大きな違いとは?

歯を失ったときの選択肢のひとつがインプラントです。インプラント治療をした歯では、硬いものもシッカリと噛めますし、あごの骨にシッカリ固定しているので、お食事中や会話の途中で歯がずれ落ちるという心配もなく、自分の歯に近い感覚で生活を楽しめる画期的な治療法と言えます。でも、弱点もあります。それは、天然歯にはある「歯根膜」がないことです。

歯のセンサー&クッション『歯根膜』がない!

歯は、1/3が歯茎の上に顔を出して食べ物をシッカリと噛み、根元の2/3は歯茎の中で骨によって支えられています。そして、その骨と歯の間には「歯根膜」という薄くやわらかい膜が存在します。

歯根膜には様々な役割がありますが、とりわけ重要なのが「食べ物の固さを感じるセンサーとしての役割」と「クッションとしての役割」。ところが、歯根膜は抜歯と共に失われているので、インプラントをした歯には歯根膜の機能はありません。天然歯の場合は、歯根膜が食べ物の固さや柔らかさを判断して噛む力を調整し、歯や歯茎を傷つけないようにしています。

しかし、歯根膜のないインプラントでは、噛む力を加減する機能が失われている上、力を和らげるクッションがないので、歯や骨にダイレクトに力が加わり、インプラントが壊れてしまうことがあります。

また、骨には一定以上の外力が加わり続けると吸収する(溶ける)性質があるので、強過ぎる力がかかると、インプラントを支える骨が溶け出して、インプラントはグラグラになってしまうのです。

定期的な噛み合わせチェックが重要!

天然歯とインプラントの根本的な違いは歯根膜があるかないか という事は咀嚼という食事を噛むという事に関連して、噛み合わせ調整の方法が違います。

口腔内の環境は日に日に変化します。歯軋りや食いしばりの強い方はさらに過酷な環境変化が日常的に口腔内に起こっています。セットした時にきっちり合わせて調整していても半年、1年と経過するごとに噛み合わせは変化しています。その度にチェックして調整が必要です!

上下全て自分の歯で健全歯の場合は上下とも同じ硬さで、歯軋り、食いしばりで自動調整ができています。ところが人工物(金属、プラスティック、セラミックなど)が口腔内にあると天然歯と硬さが違うので、歯軋りで均等にすり減りが起こらず、多くの場合人工物の部分が高くなって残ります。

特にインプラントの人工歯はさらに歯根膜という天然のクッションも存在しないのでさらに咬合力が強くかかりすぎて、上部構造の人工歯が破説したり、インプラント内部のネジが折れたりします。歯肉も炎症が起こりやすくなり「インプラント周囲炎」になります。

インプラント周囲炎と歯根膜

歯周病は歯の周りの組織に細菌感染が起こる病気ですが、実はインプラントをした歯の周りにも同じような感染「インプラント周囲炎」が起こります。毎日のケアが不十分だったり、歯科医院での定期的なメンテナンスを怠ってしまったことでお口の中が不衛生になり、歯ぐきの炎症から始まり、あごの骨の吸収、インプラントの脱落という、歯周病と同じような症状がでることがあるのです。

インプラントには歯根膜がない!

歯は、1/3が歯茎の上に顔を出して食べ物をシッカリと噛み、根元の2/3は歯茎の中で骨によって支えられています。その骨と歯の間には「歯根膜」という薄くやわらかい膜が存在しますが、インプラントにはその歯根膜が存在しません。

実は、細菌感染を防ぐ「歯根膜」がないことが、インプラント周囲炎のリスクを高める一因になっています。それは、血液供給する歯根膜がないと、炎症に対する抵抗性が極めて低くなり、いったん感染が始まるとインプラントを支える顎の骨にまで早く炎症が達し、骨の吸収も急速に進行してしまうからです。

また、あごの骨の健康を維持するためには、早い骨の代謝が必要です。それを可能にしているのが骨を作る作用がある歯根膜。

しかし、歯根膜がないインプラントでは、あごの骨の代謝はスピーディに行われず、一度、細菌感染が起こると、天然歯より早くダメージが広がってしまいます。

長持ちさせるには、定期検診が大切!

予防のためには、定期健診で早めに噛み合わせの異常を見つけることが何より大切です!

インプラントを健康に維持するためには、噛み合わせの調整が、自分の歯以上に必要なのです。

このように歯根膜というサポーターを持たないインプラントを、健康に維持するためには歯科医院での定期健診がとっても重要です。インプラントをされている方は、ぜひプロのチェックを定期的に受けて下さいね!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯を失ってしまった後の治療方法

2024年4月6日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は歯を失ってしまった後の治療方法についてお話したいと思います。大きく分けて3通りの
治療方法がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分に合う治療方法を見つけましょう!

治療法によってこんなに違う!

番外編として適応症は少ないですがもう一つ治療法があります。

 ◆歯の移植の場合

虫歯や歯周病にかかっていない親知らずが残っている場合、奥歯が欠損して無くなった場合、親知らずを移植して機能させることが可能です。

ただし移植歯と歯の無くなった部位の歯周組織のサイズが適応している場合のみこの移植術が適応になります。移植後は通常の歯冠修復(いわゆる差し歯)やブリッジの土台として使用できます!

当院ではインプラントの前の選択肢の一つとなっています。

日頃のお手入れの方法は?

◆部分入れ歯の場合

「入れ歯」と「歯が抜けているところ」の両方をシッカリとお手入れすることが大切です。お手入れ方法は、入れ歯をお口から外し、歯ブラシで磨きます。

支台歯に引っ掛けるクラスプも、小さめのブラシや歯間ブラシなどを使って、優しく丁寧に磨きます。入れ歯洗浄剤も併用するとより効果的です。

◆ブリッジの場合

ポンティックとよばれるダミーの歯と歯茎の境目、そしてポンティックの底面は非常に汚れが溜まりやすい部分です。

まずは、通常の歯ブラシで磨いて汚れを落とし、次に歯間ブラシを使って、ポンティックと歯茎の境目の汚れを効率よく取り除きます。最後にポンティックの底面の部分を、フロスを使って仕上げます。

◆インプラントの場合

自然歯と同様に磨きます。歯ブラシでの掃除に加えて、タフトブラシや歯間ブラシ、フロスなどを利用して、歯間などの汚れの溜まりやすい場所を清潔に保ちます。

磨き残しがあると、インプラントでも歯周病になり(インプラント周囲炎)、インプラントを支える周りの骨が溶かされてしまいます。

まとめ

治療法によって、毎日のお手入れがこんなにも違うということがお分かり頂けたと思います。メンテナンス次第で義歯の寿命も変わってきます。一緒にベストな治療法を考えていきましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

Little blond boy sleeping in his bed. Restless sleep of a baby with a cold. The kid sleeps with his mouth open. My little boy sleeping by the light of the window.

お口ポカン(口呼吸)は危険のサイン!

2024年3月30日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院 院長 米山博彦です。

子供の不正咬合の原因の一つと言われている『口呼吸』についてお伝えしようと思います。できるだけ早期に対処できれば将来のお子さんの成長に大きな恩恵が期待できるため、まず口呼吸について知りましょう!!

お口ポカン(口呼吸)は危険のサイン!顔立ち、歯並び 、姿勢、また健全な成長発育への悪影響について

口呼吸はなぜいけないと言われるのでしょうか?

一説によると日本人の実に8割以上が何らかの形で口呼吸をしていると言われています。また大人よりも成長期にある子供達への悪影響が最近ピックアップされています!

今全体の相当数の子供達が慢性的な鼻閉(鼻づまり)のため口呼吸になっていると言われています。みるとお口は半開きで、いつもお口ポカンの状態。あなたのお子さんはいかがでしょうか?もしそうだとしたら要注意です!

Little boy is sleeping with his mouth open, snoring.

口呼吸による機能障害の兆候

  • ・いつもポカンと口が開いている
  • ・食べるときにペチャペチャ音を立てて食べる
  • ・猫背で姿勢が悪い
  • ・イビキがひどい
  • ・寝起きが悪く、しばらくボーッとしている
  • ・扁桃腺が腫れやすく、風邪をよくひく

鼻呼吸と口呼吸の違いとは?

本来、鼻は呼吸器(呼吸をする器官)で口は(食事をする器官)であるとされています。

鼻(鼻腔)は 1加湿器 2空気清浄機 3エアコン の3つの機能を果たしているとされています。

鼻呼吸をする場合、乾燥した外気が直接肺に入らないように鼻腔内に分泌される鼻水によって加湿されます。肺に到達する頃には湿度が約90%にまで加湿されています。口呼吸ではこれほど湿度を上げれないため乾燥した外気が体内に入り風邪やインフルエンザのリスクを高めます。つまり鼻呼吸は免疫機能の役割も果たしていると言えます。

また鼻腔内は外気中のホコリや細菌、ウイルスなどを捕獲して出来るだけきれいな空気を肺に送る機能も備わっています。口呼吸ではホコリや細菌、ウイルスが喉や気管に直撃してしまうため感染リスクが高くなります。

また鼻呼吸は冷たい外気を温めて肺に送ります。その温度は約36〜37度と言われています。

口呼吸では冷たい外気が扁桃腺、気管、肺に直接入るため肺の免疫機能も低下してしまうリスクが大きくなります。

(画像引用 武田薬報Web)

口呼吸のデメリットは?

出っ歯になりやすくなる

唾を飲み込んで見ると嚥下する時には舌は上顎を上に押し上げる動きをします。人は1日に700〜1800回嚥下(飲み込み)動作を無意識に行なっています。口呼吸が習慣になってしまうと、舌が下がってきます。すると飲み込む時の力は上顎の骨ではなく前歯を前に押し出す力としてかかります。これが出っ歯の成り立ちの一つです。

さらに舌が低位に下がる事で、上顎の奥歯は内側からの支えを失い、頬の筋肉が歯を内側に押し込む事で臼歯が内側に移動してきます。

その結果上顎の歯列は逆 V字型の歯列になります。幅が狭くなると下顎や舌は前に出る事が出来なくなるため、後ろに後退します。また唇の周り筋肉(口輪筋)が弱くなって口を閉じる力が弱く上の前歯は前方に傾斜して出てきます。

これが日本人に一番多い出っ歯(上顎前突)の成り立ちです。

また上顎も下顎も歯列の幅が狭くなるので、殆どのケースで歯が並びきらない事が多く、ガタガタの歯並び(叢生そうせい、八重歯)にもなりやすくなります。

何故口呼吸になるのか?

アデノイドの問題

アデノイドとは咽頭扁桃と言って、上気道と咽頭の境目にある扁桃組織で3〜6歳ぐらいに肥大してくる事が多く、大きくなりすぎると鼻腔気道を閉鎖して鼻呼吸に障害が出てきます。子供の口呼吸の原因の一つです。

鼻疾患の問題

アデノイドはじめ、その他の鼻疾患、例えば鼻アレルギー鼻炎、鼻中隔湾曲、副鼻腔炎(蓄膿症)なども鼻閉を起こして口呼吸になる原因になります。これは耳鼻科を受診して原疾患の治療を行う必要がある場合も多いです。

上顎の劣成長

また鼻閉による口呼吸が習慣化してしまうと奥歯がほっぺたの筋肉に押されて内側にはいって、上顎骨が十分に成長できなくなります。また上顎が成長できないとすぐ上にある鼻腔底も成長ができないので、空気の通り道の気道は狭いままになりますます鼻閉はひどくなり悪循環になってきます。また上顎骨の成長は9歳までで8割終わると言われておりそれ以降はあまり成長が期待できなくなります。上顎骨の成長は特に中顔面(顔の真ん中あたり)に関連していて、劣成長は将来の顔の見た目にも関係してきます。

口呼吸が習慣になってしまうとどうなる?

口呼吸が習慣になってしまうと顔貌(顔立ち)、姿勢に影響が及びます。

後述する「アデノイド顔貌」が代表的なもので、子供の頃鼻閉が原因で口呼吸になってしまい、大人になって鼻の疾患がなくなっていたとしても口呼吸は意識しないと治らない事が多いです。

いづれにしても口呼吸は重大な全身疾患に結びつくことが警鐘されているため、できるだけ早期に改善を図るべきだと思います。

口呼吸と顔の変形

口呼吸をしていると顔が歪む?

口呼吸が続くと口を閉じる筋肉(口輪筋)が緩み連動して頬筋や咀嚼筋の筋力が弱くなります。また歯並びの悪さからいつも同じ側(噛みやすい側)で噛む癖がつきやすく、また顔の表情筋も左右のバランスが取りづらくなるため左右の目の大きさが変わったり、口角の位置が左右で高さが変わったりすると言われています。

アデノイド顔貌

聞きなれない言葉かもしれませんが、口呼吸が習慣化すると特徴的な顔貌になる事が知られています。

アデノイド顔貌の特徴

  1. いつも口がポカンと開いている
  2. 顔が長い
  3. 口元が出ている
  4. 口を閉じると下顎の下に皺(しわ)ができる。(梅干しができる)
  5. 下顎が引っ込んでいる
  6. 二重顎になりやすい
  7. 唇がめくれあがって分厚い
  8. 鼻の下が長い

口呼吸と姿勢の関連

鼻閉のため口呼吸になると下顎が後退するために呼吸が苦しくなるので気道を拡げるために自然に頭は後ろに沿ってかつ首は前に傾斜してきます。その結果姿勢はいわゆる猫背になってきます。

口呼吸と疾患の関連

イビキは身体からのSOSのサイン!

イビキは寝ている時に舌根が下がって気道を狭くするために起こります。アデノイド(咽頭扁桃)や口蓋扁桃の肥大が大きな原因と言われています。特にアデノイド咽頭扁桃が鼻呼吸の障害に直接関係していると言われています。

最近では口呼吸の子供のイビキが問題視されています。口呼吸が原因で下顎が後退してそれに伴って舌も後ろに下がってしまいます。この状態が長く続いたり、肥満があったりするとさらに呼吸系の悪循環が起こって、睡眠時無呼吸症候群と呼ばれる疾患に繋がってくる事があります。大人だけではなく子供にも起こります。

睡眠時無呼吸症候群との関連

睡眠時無呼吸症候群は大人だけではなく子供でもあります。この状態になると酸欠(酸素欠乏)の状態が毎晩続くために熟睡できなくなります。さらに問題は熟睡できないと成長期に大切な成長ホルモンが十分出なくなり低身長や低体重、情緒の不安定(イライラ、切れやすい など)が見られる事がある事が指摘されています。

まとめ

口呼吸は単に口から息をしているに過ぎないと思われがちですが、その影響は子供達にとって計り知れないものであると言えます。歯並びだけではなく、顔の形や姿勢、またさらには成長期の身体に大きな影響を及ぼす事態にもなりかねない事が、小児科ドクターや歯科ドクターはじめ、世界中の研究者からの報告、論文で様々な問題点が指摘され、警鐘が鳴らされています。大切な成長期に鼻呼吸を障害する原因をしっかりと調べ、必要があれば耳鼻科、小児科、歯科で治療を受ける事は本来必要のない疾患を回避して、その後の健やかな成長に導いてあげるためにも大切な事だと思います。

鼻から呼吸できる子供と口呼吸の子供は大人になってからも非常に大きな違いが出て来る可能性が大きい事を親御さんは認識してあげてほしいと願います。

よねやま歯科医院 院長 米山博彦

子供の矯正治療  本当に必要?Part3

2024年3月23日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院 院長 米山博彦です。

今回はPart2からの続きです。

子供の矯正治療では具体的にどのようなことが必要で、どんな治療をするのかをお伝えします。

具体的には何をするのか。(治療の方法)

全ての不正咬合の始まりである上顎の劣成長の改善から開始して、1〜2ヶ月遅れて下顎の内側に倒れた奥歯を起こす装置を入れます。

使用する主な装置は以下のものです。

治療手順

  1. 上顎の急速拡大(ハイラックスorバラエティー)
  2. 下顎のリンガルアーチ 下顎歯列の拡大
  3. トランスパラタルアーチ 上顎臼歯の傾斜改善
  4. フェイスマスク (上顎歯列の牽引) 必要なケースのみ行う
  5. 2回目の上顎急速拡大(ファン装置 orハイラックス装置)
  6.  FKO (エフカーオー)機能矯正装置 夜間のみ使用する取り外し可能な装置 最後の仕上げに使用する

急速拡大装置(ハイラックス装置)による治療

1日1回スクリューを1/4回転(0.2mm)させる。2ヶ月かけて60回回すと12mm拡大することになります。他の拡大装置も取り扱いは同様です。

急速拡大装置(バラエティー装置)乳歯列など口が小さいお子さんに使用する拡大装置

永久歯が生える前の乳歯列の子供さんに使用する急速拡大装置です。違和感が少なく最初の導入装置としては最適です。

リンガルアーチ 下顎歯列(臼歯の正直)(内側に倒れている臼歯を外側に起こす)

不正咬合のお子さんは下顎の奥歯が内側に倒れていることが多く舌房(舌が収まる空間)が狭く舌が本来の正しい位置に入れなくて後方に下がってしまいます。奥歯を起こしてやることで舌房の空間が拡がって舌が正しい位置に収まるようになります。

トランスパラタルアーチ(TPA)    上顎臼歯の正直(外に倒れた大臼歯を歯列内に戻す)

急速拡大装置で拡がった大臼歯は外側に傾斜してくることが多いので、この装置で正しい傾斜に戻します。そうすることで噛み合わせが安定します。

FKO(エフカーオー 機能矯正装置) 下顎骨全体の前方回転の誘導

咬合誘導の最終仕上げの段階で使用する取り外しの機能矯正装置です。(主に夜間使用する)

口呼吸から鼻呼吸への変化

当院の受け口の子供さんのケースですが上記の治療の結果、気道が拡がって口呼吸から鼻呼吸に変化して機能障害の改善がみらました。

治療中の痛み等の不都合な症状は?(副作用など)

上顎骨の急速拡大装置は上顎骨の正中縫合といわれる軟骨のつなぎ目を拡げます。装置を入れて1週間は個人差はありますが、スクリューを回転すると歯よりも鼻の付け根がジワッと痛むという訴えが多くあります。(次第にこの痛みはなくなります)

また最初の1ヶ月間は鼻の通りが悪い子供さんは、鼻水がよく出たり、鼻血が出たりします。

しかしこれは『好転反応』と言われるもので全く心配は入りません。

それと最初は食べ物が装置の間に挟まって上手く咀嚼できない、硬いものが噛めない、発音がしにくく喋りにくい、下の装置が内側の歯肉に食い込んで痛みが出やすい、

という症状も出ますが、子供さんは適応能力が大人に比べて非常に高いので1ヶ月もすれば全ての不都合はなくなっていると思います。

副作用(最初の1ヶ月ぐらい)

  1. 鼻の付け根のジワッとした鈍い痛み(5分間ぐらいで消失します)
  2. 鼻水がよく出るようになる
  3. 鼻血が出る事がある
  4. 物が食べにくい(噛みにくい)
  5. 喋りにくい(約1ヶ月でほぼ解消します)

いずれも最初の1ヶ月、その後は装置を交換して1週間でほぼ不快症状は解決するケースがほとんどです。

治療の期間はどれぐらいかかるのか。

治療期間は約2年から2年半ぐらいはかかります。

その後は永久歯が全て生え替わるまで(12歳ごろまで)3ヶ月毎の経過観察をしていきます。

ケースによっては2期治療(ワイヤー矯正)が必要になる事があります。しかし当院のこれまでの経験では約40%ぐらいです。残り60%はワイヤー矯正は必要なく終了しています。

本当に抜歯せずに治るのか?

これもケースバイケースです。確立として30%ぐらいのお子さんは高校生ぐらいでスペース不足のためワイヤー矯正に移行し、その内の10%は抜歯が必要な診断結果が出ています。しかし1期治療の段階では永久歯の抜歯は決して行いません。

後戻りはあるのか?

通常の矯正治療の場合は、約10〜20%は後戻りがあります。顎顔面矯正については歯を拡げるのではなく、骨の軟骨縫合を拡大して行くので歯の後戻りはほとんどありません

費用はいくらぐらい必要か?

費用は医院によって多少の差はあります。当院の料金設定でご説明します。

まず成長期後の通常の矯正治療(ワイヤー矯正)は¥700,000〜¥800,000(税抜き)です。

早期の小児矯正(顎顔面矯正)はその半額 ¥350,000(税抜き)です。

その他に ¥5,000/月 の調整料がかかります。

12歳以降2次治療(ワイヤー矯正)が必要になった場合は残り ¥350,000(税抜き)が追加で必要になります。

まとめ

子供たちの健全な成長のためには、成長過程の呼吸を初めとする口腔機能を理解し、機能不全が疑われる場合は出来るだけ早い段階で対処してあげる事が、子供たちの将来的に非常に重要な意味を持つと考えます。

下の永久歯が生え変わるときに内側から生えてきたなどで、異常に気がつかれるお母さん、お父さんが多いです。

これは非常に重要で、そのときに上顎、下顎の乳歯列に生え変わりのための隙間があるか?いつもお口がポカンと空いていないか?鼻詰まりや扁桃腺が腫れやすくないか?イビキはかくか?などをチェックしてお子さんに機能障害があるか知る必要があると思います。

このようなチェックに当てはまるお子さんには、

無呼吸症候群やアレルギー疾患、口呼吸による姿勢の弊害を予防し、健全な成長発育を導く小児矯正(顎顔面矯正)が適応となる場合が多いと思います。

よねやま歯科医院 院長 米山博彦

 

子供の矯正治療  本当に必要?Part2

2024年3月16日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院 院長 米山博彦です。

今回はPart1からの続きです。なぜ現代っ子は歯並びが悪い子が多いのか

そして実際不正咬合と関連の深い口呼吸について、子供の成長にどんな影響があるのかをお伝えします。

なぜ現代っ子は歯並びが悪い子が多いのか

これはちょっと語弊があるかもしれません。歯並びが悪い子供は昔からいたのは確かです。

しかし私が歯科医師になって34年、開業してから26年経った今感じている事があります。

実際歯並びが悪い子は多いですが、その事よりも20年前に比べて機能障害を持っている子供たちが格段に増えてきた感じがします。つまり鼻呼吸ができない子供(口呼吸になる)が多いのに驚きを感じます。

口呼吸による機能障害の兆候

  • ・いつもポカンと口が開いている
  • ・食べるときにペチャペチャ音を立てて食べる
  • ・猫背で姿勢が悪い
  • ・イビキがひどい
  • ・寝起きが悪く、しばらくボーッとしている
  • ・扁桃腺が腫れやすく、風邪をよくひく

何故 子供の時期から矯正しないといけないのか。

子供の歯並び(不正咬合)と呼吸の関係

上顎は舌が当たることによって刺激を受けて成長するといわれており、その刺激が少ないと成長不足となり幅が狭くなってしまい歯の萌出スペースが不足します。さらに上顎が狭くなると下顎も連動して幅が狭くなり臼歯が内側に倒れてしまい舌が収まるスペースが狭くなります。

上顎が成長不足で狭いとその上にある上気道の鼻腔底も成長不足で狭くなり、鼻閉が起こりやすく口呼吸になってきます。その結果扁桃肥大で風邪をひきやすく、鼻アレルギーの憎悪の要因となっている事が多いです。

口呼吸と姿勢の関係

口呼吸の習慣が長く続くと姿勢にも悪い影響が出てきます。呼吸が苦しいために頭部は後屈(後ろにそる)し、首(頚椎)は前法に傾斜して、下顎は後退(後ろに下がる)した状態になってきます。その結果いわゆる『猫背』の状態になってきます。この猫背の姿勢は口呼吸するお子さんが一番呼吸するために楽な姿勢で無意識になってきます。

『姿勢が悪い!』といくら親御さんが注意しても呼吸しないといけませんから、口呼吸の問題を解決しない限りこの姿勢を治すことはできません。

イビキはお子さんの身体からのSOS!

寝るときにイビキをかくお子さんは、口呼吸でもともと気道が狭い上に寝るときは横になって舌が喉の方に下がって気道を狭くしますから要注意です。

この状態がひどくなると子供でも『無呼吸症候群』になる事があります。

またこの状態は酸素不足で熟睡できませんから睡眠障害が起こり、寝起きが悪く、ボーっとする事が多くなります。

それよりもっと問題は成長ホルモンが充分でなくなり、低身長、低体重が起こったり、情緒の不安定で落ち着きがなくなったりの原因にもなります。

小児矯正が必要な理由

正しい機能は正しい形態に宿る。 それ故、小児期の不正咬合を正しい形態に誘導することは、 正しい機能を獲得するために有益であると言えます。

また大人(成長期が終了した)の機能回復による形態改善は困難になります!(外科的な方法が必要 外科矯正 美容整形等)

以上の理由から私は小児成長期の正しい治療は必要であると考えます!

次回Part3では 具体的な治療についてお話しします。

よねやま歯科医院 院長 米山博彦

子供の矯正治療  本当に必要?Part1

2024年3月9日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院 院長 米山博彦です。

大切なお子さんの健全ですこやかな成長、女の子であれば将来美しく、男の子ではたくましく育ってほしいと親なら誰もが願っている事だと思います。

健康的な身体と綺麗な歯並び、美しい笑顔は一瞬で相手に好印象を与える事になり、おおげさではなくその後のお子さんの人生を変えてしまうと私は考えています。

ではなぜ歯並びは悪くなるのでしょうか?その原因はなんでしょう?また子供の時期から矯正をした方がいいのは何故なんでしょうか?よく言われませんか?「永久歯の生え替わりまで様子をみましょう!!」これは歯医者として言いますが非常に無責任な発言だと私は考えています。文献(世界の論文)からのレビューでは放置して自然に良くなる(正常咬合)になる確率はなんと10%以下(6.4%)と言われています。 つまり放置していては絶対に治らない!と言ってもいいと思います。

「なんかおかしいな?」と思った時が治療の開始時期だと思います!

悪い歯並び(不正咬合)の原因は?

子供に時期の不正咬合のすべての原因は結論から言うと上顎骨(上あご)の発育不足が原因と言われています。世界的な文献(論文)でも多数発表があります。歯並びを悪くする習慣(悪習慣)として指摘されているものは

  • ・よく噛まない
  • ・指しゃぶり、頬杖
  • ・口呼吸による機能障害

などがありますが、特に多いのが口呼吸による不正咬合です。

最近の子供達の特徴として感じるのは、上顎(上のアゴ)が狭く、鼻閉があり口呼吸をしている子供が多いです。ある調査では実に70〜80%の子供達が程度の差はあるけど口呼吸になっているといわれています。正常な舌の位置は上のアゴに接していますが、口呼吸の子供達は口で呼吸しないといけないので舌の位置はより低い位置 もしくは前方に置くようになり食べるときにペチャペタ音を立ててしまい、またイビキをかく子供が多いです。

口呼吸による機能障害の兆候

その他の以下の症状が口呼吸の特徴です。思い当たる方は要注意です!

  • ・いつもポカンと口が開いている
  • ・食べるときにペチャペチャ音を立てて食べる
  • ・猫背で姿勢が悪い
  • ・イビキがひどい
  • ・寝起きが悪く、しばらくボーッとしている
  • ・扁桃腺が腫れやすく、風邪をよくひく

また口が常時ポカンと開いていると頬の筋肉が弱くなり、その結果上の臼歯の歯列が内側に入ってしまいV字型の歯列になってしまい、舌を前に突き出す癖がつくと開咬となってしまいます。また口の中の体積が狭くなり様々な機能障害を引き起こす原因になります。

不正咬合の種類

出っ歯(上顎前突)

いわゆる出っ歯(上顎前突)。一見上の顎と骨が前に出ているように見えますが、実際は上顎骨の幅が狭くて下顎骨(下の顎)が後ろに引っ込んでいるケースが日本人始め東洋人には80%以上と言われています。

受け口(下顎咬合 反対咬合)

受け口とは、顎と歯が前に出ている状態で前歯の噛み合わせが逆になっている状態です。これの原因は大きく3つあります。

  • ・上顎骨が短く、下顎骨は正常。
  • ・上顎骨は正常で、下顎骨が大きい。
  • ・上顎骨は短く、下顎骨は大きい。

やはりこれも上顎骨の奥行き(前後の長さ)が短くて、実は下顎骨の大きさは正常範囲なのに下の歯が前に出ている状態の場合が日本人には一番多いです。(70〜80%) あとのケースは遺伝要素が大きく将来外科矯正になる事が多いです。

交差咬合

放置すると顔全体が歪んで成長してしまいます。特に女の子(男の子もそうですが)は思春期やお年頃になると非常に悩みます。実際に当院でも20代の女性が何人も相談にいらしてます。

成長期が終わって顔の歪みを治す方法は多くは外科矯正になってしまいます!顎の骨を切って組み直す治療で確かに綺麗に治りますが、入院が必要で身体の負担は大きいです。

できるだけ低年齢、できたら5歳ぐらいで気づいて治療始めれば綺麗に治りますしその後の成長発育も良い方向に導くことが可能です。

乱杭歯(叢生 ガタガタの歯 八重歯)

いわゆる昔でいう 八重歯 です(私が子供の頃はアイドル達もこの歯の状態が多くむしろ可愛いとさえ言われていました。)

歯のサイズとそれが並ぶ土手である歯槽部(歯肉部)のサイズがアンバランスで並びきらない状態を言います。

5〜8歳の間に顎を大きくする処置をすれば多くのケースで歯を抜く事なしにきれいな永久歯列に誘導する事が可能です。(一部例外はあります。)

開咬(奥歯だけが当たっていて前歯が噛んでいない状態)

前歯でかみ切る事ができません。食物をしっかりと噛み切り、噛み潰す事ができないため丸呑み傾向が強いです。これも上顎骨の成長不足から舌が本来の場所に収まる事が出来ず、物を飲み込む時に舌を前歯の隙間に突っ込んで蓋をする癖がついてしまい、やがて下顎全体が後方に回転してしまい、前歯が当たらなくなってしまった状態です。

過蓋咬合

これも上顎骨の幅が狭いのが始まりです。

上顎の幅が狭いため下顎の歯列が前に出る事が出来なくなって、結果後ろに後退してしまい前歯が全く噛み合わなくなって下の前歯が上の歯肉を噛むまで伸びてしまいます。(歯は噛み合わせがなくなると動きます!)

次回Part2では子供の矯正が必要な理由と 具体的な治療の方法をお話しします。

よねやま歯科医院 院長 米山博彦

お口で呼吸する弊害、ご存知ですか?

2024年3月2日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『お口で呼吸する弊害、ご存知ですか?』と、「発症・進行させないために重要なのは?ケアに加えて、いつもの〇〇〇』についてお話したいと思います。

お口で呼吸する弊害、ご存知ですか?「口呼吸」が原因で歯周病が悪化!

皆さまは、息を吸ったり吐いたりするのは、鼻からしているか、口からしているか意識されていますか?最近はお口で呼吸する人が多くなってきているようですが、口呼吸にはいろいろな弊害があります。その中のひとつが歯周病の進行なのです。

口呼吸と歯周病…。なんだか関係がないように思えますが、実はお口で呼吸していると、歯周病
はどんどん進行してしまいます。

【口呼吸で歯周病が進行する原因は?】

理由はずばり唾液が減るからです。お口を開けて呼吸をすると、お口の中の雑菌などを洗い流す唾液が分泌されにくくなり、お口が乾燥し、歯周病菌が活発化。歯周病になったり、さらに進行させてしまいます。

唾液は食べ物を消化する働きなどの他にも、歯の表面などについた食べカスを洗い流す作用や、殺菌・抗菌作用などもあるため、十分に分泌できる状態を保つことが大切です。

このように口呼吸は歯周病悪化の原因になりますので、「口呼吸しているかも…」という方は気をつけてみてくださいね。

また、花粉症などで鼻詰まりが続くと口呼吸になりがちなので、病気があればその治療をすることも肝心です。歯磨きなどに合わせて呼吸の習慣でも歯周病のリスクを減らしていきましょう!

発症・進行させないために重要なのは?ケアに加えて、いつもの〇〇〇

歯周病の予防には、毎日のセルフケアや歯科医院で行うプロフェッショナルなケアが重要なことを
皆様ご存知だと思います。でも、実はケアをするだけでは不十分。普段の生活の中にも歯周病を発症・進行させるリスクファクターが隠れているのです。

≪生活の中に隠れているリスクファクターは?≫

① 喫煙

タバコの煙には、タールや一酸化炭素、ニコチンなど数多くの有害物質が含まれています。なかでも一酸化炭素やニコチンは、病原菌に対する抵抗力を低下させるとともに、傷口を治りにくくします。喫煙は歯周病を悪化させる最大の危険因子です。

②ストレス

いつの間にかストレスが溜まっていませんか?
過大なストレスがかかると抵抗力が弱くなり、身体の病気だけでなく歯周病も悪化しやすくなります。ウォーキングや音楽、アロマなど、趣味のための時間を作り日々のストレスを解消しましょう。

③食生活

やわらかいものは歯にこびりつきやすく、歯周病菌の住みかであるプラークを増やす原因となります。甘いものをダラダラと食べ続ける習慣もプラークを増やします。お食事の際は、繊維質のものを積極的に食べて歯の表面についた食べカスを落としたり、お口の中を洗浄する唾液がたっぷり分泌されるよう、よく噛んで食べましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯周病は子どもの頃から始まっている!

2024年2月24日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病は子どもの頃から始まっている!』と、「お年ごろのお口特有の歯周病、「思春期性歯肉炎」とは?』についてお話したいと思います。

歯周病は子どもの頃から始まっている!

 痛みや歯のぐらつきなどの自覚症状が出てくるのは大人になってからなので、歯周病は大人の病気と思われている方もいらっしゃるかと思います。でも、実は子どもでも歯周病になるのです。

歯周病は、プラークに住む歯周病菌によって歯肉に炎症が起き(歯肉炎)、進行すると歯を支えているあごの骨まで溶ける(歯周炎)病気。歯周病は「歯肉炎」と「歯周炎」を合わせた総称で、子どもの歯周病のほとんどは歯肉炎です。子ども時代に歯肉炎になり、それがジワジワと進行し、歯周炎になっていくケースが多く見られます。

≪子どもの歯肉炎の原因は?≫

★歯磨きが不十分でお口の中が不潔になると歯ぐきに炎症が起こります。
★永久歯が生える時に一時的に歯ぐきが腫れることがあります。
★口呼吸が原因でお口の中が乾燥すると、お口の中を洗う唾液が減るため、細菌が繁殖しやすい状態になります。
★思春期のホルモン分泌の影響で、いつも通りのケアをしていても歯ぐきが腫れることがあります。

-いかがでしたか?このように歯周病は子どもの頃から気をつけなければならない病気です。小さなうちからお口の中を清潔にする習慣を身につけ、歯肉炎になりやすい時期は普段以上に丁寧な歯磨きを心がけましょう。もちろん、自分できちんと磨けない時期は、大人が仕上げ磨きで手伝ってあげます。そして定期的に歯科医院でチェックすることも忘れずに!

お年ごろのお口特有の歯周病、「思春期性歯肉炎」とは?

皆さまは思春期の頃にみられる歯肉炎をご存知ですか?「思春期性歯肉炎」とよばれる歯周病です。

実はこの時期は今まで通りに歯磨きをしていても、歯ぐきが腫れたり歯磨きによる刺激等で歯ぐきから出血することがあるのです。

【思春期性歯肉炎の原因は?】

◆ホルモンバランスの変化ある歯周病菌は卵胞ホルモン(=エストロゲン)を栄養源に増殖するため、卵胞ホルモンの分泌が増加する思春期は歯周病が進行しやすくなります。
◆生活習慣の変化自宅外での間食が増えたり、塾や部活等で忙しくなるなど、食習慣・生活習慣の変化により思春期性歯肉炎のリスクが高まります。

【治療方法は?】

◇自宅では歯ブラシだけでなくデンタルフロスなども使用して磨き残しがないようにします。
◇歯科医院では普通の歯周病と同じようにプラークコントロールを中心とした治療を行います。
セルフケアだけでは行き届かない歯間や奥歯の裏なども専用の機器を使ってきれいにします。

-いかがでしたか?思春期性歯肉炎から本格的な歯周病に進み、将来大切な歯を失うことがないよう、若い頃から丁寧な歯磨きをすることが大切です。そして歯科医院での定期的なケアも忘れずに!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯根膜がないインプラントを長持ちさせる方法

2024年2月17日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は「歯根膜がないインプラント:定期的なメンテナンスで長持ちさせる!」のお話と「生活習慣で変わる!インプラントの寿命」のお話です!

歯根膜がないインプラント:定期的なメンテナンスで長持ちさせる!

インプラントによる治療は、自分の歯のように噛めて審美性も高い優れた治療法です。人工歯なので虫歯にもなりません。

しかしながら、天然の歯にはある歯根膜という組織がないため、天然歯に比べて細菌への抵抗力がなく、炎症や骨吸収されてしまう速度が非常に早いという特徴があります。そのため、特に違和感がなくても、歯科医院で定期的にメンテナンスしてもらうことが必要なのです。

≪歯科医院での主なメンテナンス内容は?≫

お口の中全体のチェック

インプラントや他の歯に問題がないか、舌や歯ぐきなどの粘膜に異常はないかなど、お口の中全体をチェックします。

クリーニング

セルフケアだけでは限界があるのも事実。プラークや歯石が付いているとインプラント周囲炎のリスクが高まります。プロによるクリーニングで健康な状態を保ちます。

ブラッシングの指導

磨き残しやすい部位をチェックしたり、正しい磨き方やデンタルフロス、歯間ブラシの使い方などを教えてもらいます。

噛み合わせの調整

インプラントや他の歯に負担がかからないよう噛み合わせを修正します。

インプラントは非常にデリケートな治療法です。長持ちさせるには、毎日のセルフケアを基本に、歯科医院での定期的なメンテナンスを続けていくことが大切です。

生活習慣で変わる!インプラントの寿命

自分の歯のように快適に使用できるインプラントは優れた治療法です。でも患者様自身の生活習慣により、その寿命が変わるのをご存知ですか?高額な治療費が必要なインプラントだからこそ、できるだけ長く快適に使いたいですよね。今回はインプラントの寿命を縮めてしまう主な要因をご説明します。

お口のメンテナンスが不十分

インプラントの義歯部分は虫歯になることはありません。でも、お口の中をキレイに保っていないと、インプラントの歯周病と言える「インプラント周囲炎」になるリスクが高まります。

歯根膜がないインプラントは、天然歯に比べると細菌への抵抗力が弱いため病気の進行が非常に速いのが特徴です。インプラント周囲炎になると、歯ぐきの炎症の他、歯周病と同様にあごの骨が溶けてインプラントが脱落するという最悪の事態を引き起こすことも!

タバコを吸う習慣がある

喫煙はインプラントの手術の成功率を低下させます。喫煙によって血流が悪くなると、骨や歯周組織へ栄養などが十分に行き届かなくなり、人工歯根がうまく骨に定着しないことがあります。

加えてタバコの有毒成分により白血球の働きが弱まり免疫力が低下することで、術後の傷口
から細菌感染のリスクが高まります。

また、喫煙はお口の汚れを洗い流す唾液の量も減らすため、お口の中が不衛生になり前述のインプラント周囲炎にもなりやすくなるのです。

いかがでしたか?このようにインプラントの寿命は患者様自身の生活習慣に大きく関わってきます。インプラント治療を希望される方は、ご自分の生活習慣まで含めて検討してみましょうね!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

納得して治療するために!インプラントにもあるデメリット

2024年2月10日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は「納得して治療するために!インプラントにもあるデメリット」のお話と「虫歯にはなりませんが、怖いのは「インプラント周囲炎」」のお話です!

納得して治療するために!インプラントにもあるデメリット

「自分の歯と同じようにしっかり噛める」「見た目がキレイ」「健康な歯に負担をかけない」「丈夫で長持ちする」「あごの骨が痩せるのを防げる」など、入れ歯やブリッジに比べインプラントは様々なメリットがある優れた治療法ですが、デメリットになることもあります。そこで今回はインプラントのメリット以外の面にも目を向け確認していきましょう!

□治療費が高い

インプラントは基本的に保険適用外の治療となるため、治療費が高額になります。また、治療後も定期的にメンテナンスに通う必要があるためその分の費用も必要になります。

□治療期間が長い

インプラントが骨と結合するまで2ヶ月程度の時間を必要とすることなどから、治療期間はどうしても長くなります。

□手術が必要

あごの骨にインプラントを埋め込むための手術が必要なので、全身状態が良くない場合は適用が難しいことも。また埋め込むための十分なあごの骨の量も必要です。

□メンテナンスが必要

インプラントの定着状態や噛み合わせの状態などをチェックするため定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎を発症してインプラントを失うことにも…。

いかがでしたか?インプラントのメリット以外の面もご理解いただけたかと思います。様々な面を考慮して一番良い治療法を選択していきましょう!

虫歯にはなりませんが怖いのは「インプラント周囲炎」

使い心地も見た目も自然な仕上がりになるインプラントは大変人気のある治療法ですが、インプラントを入れれば終わりというわけではありません。インプラントは虫歯にこそなりませんが、メンテナンスを怠るとインプラントの歯周病とも言える「インプラント周囲炎」になるリスクが高まってしまうのです!

《インプラント周囲炎が怖い理由》

◆早期発見が難しい!

インプラントは義歯のため神経は通っていません。
そのため、トラブルが起きても気づきにくく、気がついたときには症状がかなり進行しているケースが多くあります。

◆進行するのが非常に速い!

一度罹患すると、歯周病の10~20倍の速さで悪化するとも言われています。

◆最悪、インプラントがダメになってしまう!

インプラント周囲炎を放置すると、歯周ポケットから膿が出たり、インプラントが動揺するなどし、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまいます。

インプラントは非常にデリケートな治療法です。長持ちさせるには、毎日のセルフケアを基本に、歯科医院での定期的なメンテナンスを続けていくことが大切です。

よねやま歯科医院院長 米山博彦

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