ニュースレター7月号の話題(お話)は
1『避難中の口腔ケアは命につながる!①』
地震や台風、豪雨など、日本は自然災害の多い国。被災して避難生活を強いられることは、誰の身にも起こりえることです。そんな災害後の避難生活の中、体調を崩して亡くなる方がいらっしゃることは、皆さまご存知でしょうか?その原因のひとつは「誤嚥性肺炎」です。
◆誤嚥性肺炎と歯周病菌
誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液、お口の中の細菌などが誤って気道に入り、肺に流れ込んで炎症を起こす病気です。原因菌には歯周病菌が多いことが分かっており、誤嚥性肺炎はお口の健康状態と密接に関わっているのです。特に誤嚥をしやすい高齢の方が歯周病にかかっている場合、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
◆誤嚥性肺炎にならないための予防と対策
誤嚥性肺炎を予防するためには、日頃からお口のケアを徹底して歯周病を予防することが大切。セルフケアと歯科医院の定期的なケアでお口の中を健康に保ちましょう。
そして、非常用持ち出し袋のなかに自分用の口腔ケアグッズを用意することも重要。歯ブラシや液体歯みがき、歯みがきシートなどを用意します。唾液の分泌を促し、口臭・むし歯予防になるキシリトールガムもあると良いですよ。
非常用持ち出し袋に用意するものでオーラルケアグッズは見落とされがちですが、実はとても大切なアイテムです。日頃のオーラルケアと合わせて、オーラルケアグッズも準備しておきましょう!
2『液体ハミガキとマウスウォッシュの違いは?』
液体ハミガキ(デンタルリンス)とマウスウォッシュは、どちらもお口のケアに使う液体ですが、目的と使い方が異なります。液体ハミガキは、いわば歯みがき粉の液体版。歯みがき粉を使う時と同じように、歯ブラシと一緒に使用します。使用方法は、液体ハミガキで口をすすいで吐き出した後に、歯ブラシでブラッシング。
液体のためお口の中全体に行き渡り、すみずみまでケアしやすいのが特徴です。
一方、マウスウォッシュは、主に口内をリフレッシュするために使用します。使い方は、口に含んですすいで吐き出すだけ。歯みがき後の仕上げや、外出先での口臭ケアに使います。口臭予防やリフレッシュ、殺菌などの効果が期待できますが、歯みがきがわりにはなりません。混同しやすい液体ハミガキとマウスウォッシュですが、目的に合わせて使い分けてくださいね!
3『インプラント周囲炎が怖い理由』
インプラント周囲炎をご存知ですか?インプラント周囲炎は、インプラント周辺の組織が歯周病菌に感染し、放置すると炎症が進行してインプラントを支える骨にまで影響を及ぼす疾患です。今回はこのインプラント周囲炎の怖さを詳しくお伝えします。
□進行するのが非常に速い!
天然歯には、歯と骨の間に歯根膜というクッションのような組織があり、細菌感染から守る防御システムの役割を担っています。
しかしインプラントには歯根膜がないため、炎症が直接骨に及びやすく、天然歯の歯周病に比べて進行が非常に速いです。
□早期発見が難しい!
初期の症状は歯周病と同じように、歯ぐきが赤く腫れたり、ブラッシングの際に少し出血する程度です。そのためトラブルが起きていても気づきにくく、気がついたときには症状がかなり進行しているケースもあります。
□骨が溶けてインプラントがダメになる!
インプラント周囲炎を放置するとインプラントを支えるあごの骨が溶けて、インプラントがグラつき、最終的には脱落することも!高額な費用と時間をかけたインプラントが台無しになってしまいます。
-このようにインプラント周囲炎はインプラントの寿命を左右する怖い疾患です。インプラントを入れた後はセルフケアとプロによる定期的なメンテナンスでしっかり予防していきましょう!
ぜひご覧ください!