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インプラントと天然歯の大きな違い

2024年4月13日

よねやま歯科医院 インプラントブログ
こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は「インプラントと天然歯の大きな違い」と「インプラント周囲炎と歯根膜」についてお話したいと思います。

インプラントと天然歯の大きな違いとは?

歯を失ったときの選択肢のひとつがインプラントです。インプラント治療をした歯では、硬いものもシッカリと噛めますし、あごの骨にシッカリ固定しているので、お食事中や会話の途中で歯がずれ落ちるという心配もなく、自分の歯に近い感覚で生活を楽しめる画期的な治療法と言えます。でも、弱点もあります。それは、天然歯にはある「歯根膜」がないことです。

歯のセンサー&クッション『歯根膜』がない!

歯は、1/3が歯茎の上に顔を出して食べ物をシッカリと噛み、根元の2/3は歯茎の中で骨によって支えられています。そして、その骨と歯の間には「歯根膜」という薄くやわらかい膜が存在します。

歯根膜には様々な役割がありますが、とりわけ重要なのが「食べ物の固さを感じるセンサーとしての役割」と「クッションとしての役割」。ところが、歯根膜は抜歯と共に失われているので、インプラントをした歯には歯根膜の機能はありません。天然歯の場合は、歯根膜が食べ物の固さや柔らかさを判断して噛む力を調整し、歯や歯茎を傷つけないようにしています。

しかし、歯根膜のないインプラントでは、噛む力を加減する機能が失われている上、力を和らげるクッションがないので、歯や骨にダイレクトに力が加わり、インプラントが壊れてしまうことがあります。

また、骨には一定以上の外力が加わり続けると吸収する(溶ける)性質があるので、強過ぎる力がかかると、インプラントを支える骨が溶け出して、インプラントはグラグラになってしまうのです。

定期的な噛み合わせチェックが重要!

天然歯とインプラントの根本的な違いは歯根膜があるかないか という事は咀嚼という食事を噛むという事に関連して、噛み合わせ調整の方法が違います。

口腔内の環境は日に日に変化します。歯軋りや食いしばりの強い方はさらに過酷な環境変化が日常的に口腔内に起こっています。セットした時にきっちり合わせて調整していても半年、1年と経過するごとに噛み合わせは変化しています。その度にチェックして調整が必要です!

上下全て自分の歯で健全歯の場合は上下とも同じ硬さで、歯軋り、食いしばりで自動調整ができています。ところが人工物(金属、プラスティック、セラミックなど)が口腔内にあると天然歯と硬さが違うので、歯軋りで均等にすり減りが起こらず、多くの場合人工物の部分が高くなって残ります。

特にインプラントの人工歯はさらに歯根膜という天然のクッションも存在しないのでさらに咬合力が強くかかりすぎて、上部構造の人工歯が破説したり、インプラント内部のネジが折れたりします。歯肉も炎症が起こりやすくなり「インプラント周囲炎」になります。

インプラント周囲炎と歯根膜

歯周病は歯の周りの組織に細菌感染が起こる病気ですが、実はインプラントをした歯の周りにも同じような感染「インプラント周囲炎」が起こります。毎日のケアが不十分だったり、歯科医院での定期的なメンテナンスを怠ってしまったことでお口の中が不衛生になり、歯ぐきの炎症から始まり、あごの骨の吸収、インプラントの脱落という、歯周病と同じような症状がでることがあるのです。

インプラントには歯根膜がない!

歯は、1/3が歯茎の上に顔を出して食べ物をシッカリと噛み、根元の2/3は歯茎の中で骨によって支えられています。その骨と歯の間には「歯根膜」という薄くやわらかい膜が存在しますが、インプラントにはその歯根膜が存在しません。

実は、細菌感染を防ぐ「歯根膜」がないことが、インプラント周囲炎のリスクを高める一因になっています。それは、血液供給する歯根膜がないと、炎症に対する抵抗性が極めて低くなり、いったん感染が始まるとインプラントを支える顎の骨にまで早く炎症が達し、骨の吸収も急速に進行してしまうからです。

また、あごの骨の健康を維持するためには、早い骨の代謝が必要です。それを可能にしているのが骨を作る作用がある歯根膜。

しかし、歯根膜がないインプラントでは、あごの骨の代謝はスピーディに行われず、一度、細菌感染が起こると、天然歯より早くダメージが広がってしまいます。

長持ちさせるには、定期検診が大切!

予防のためには、定期健診で早めに噛み合わせの異常を見つけることが何より大切です!

インプラントを健康に維持するためには、噛み合わせの調整が、自分の歯以上に必要なのです。

このように歯根膜というサポーターを持たないインプラントを、健康に維持するためには歯科医院での定期健診がとっても重要です。インプラントをされている方は、ぜひプロのチェックを定期的に受けて下さいね!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

Gingivitis is an early stage of periodontal disease

歯周病検査のお話

2023年6月24日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病検査のお話』と、「歯肉炎は歯周病の初期段階」についてお話したいと思います。

歯周病の検査ってどんなことするの?

歯周病の検査をしてもらいたいけど、どんなことをするのか不安…という方に、今回は歯周病の検査の主な内容をお伝えします。きちんと知れば、安心して受診できますよ。
歯周ポケットや動揺などを調べます。

プロービング検査

目盛りがついている「プローブ」という先の細い器具を使い、歯と歯ぐきの間の溝の深さ
を、歯1本につき数カ所測定します。健康な人でも歯と歯肉の間には隙間が1~2ミリあ
り、3ミリ以上では歯周ポケットと呼ばれます。一般にポケットが深いほど歯周病が進行
しています。出血の有無も調べます。

動揺度検査

ピンセットで歯をつまんで動かし、グラグラしていないかを調べます。歯周病が進むと歯
を支えているあごの骨が溶かされて、歯がグラグラしてくるのです。

レントゲン検査

あごの骨の状態を調べます。どの部分がどれくらい溶けているかなど、外から検査しただけではわからない詳細な情報を得ることができます。

―――いかがでしたか?検査の内容を知れば安心して受診できるのではないでしょうか。今の自分のお口の状態を知ることが、歯の寿命を伸ばす第一歩。歯周病の検査をして、一本でも多く自分の歯を残していきましょう!

「歯肉炎」は歯周病の初期段階

歯周病は、歯肉炎と歯周炎の総称ということをご存知ですか?実は、歯周病の初期段階を歯肉炎、進行すると歯周炎になっていきます。今回は歯肉炎と歯周炎の違いについて詳しくご紹介しましょう。

元に戻せる歯肉炎のうちにしっかりケア!

歯肉炎ってどんな状態?

歯肉炎は歯肉に炎症が起きている状態のことです。磨き残しなどが原因で、歯と歯ぐきの間な
どにプラークが溜まり、歯ぐきに炎症が起きている状態です。歯ぐきの縁が赤みを帯び、腫れ
てブヨブヨした感じになり、歯周ポケットができつつありますが、この段階ならば、適切な治
療で元の歯ぐきに戻すことが可能です。

歯周炎に移行すると…?

炎症がすすむと、あごの骨や歯根膜も破壊されていき、いくら治療をしても元には戻せません。
歯周ポケットはさらに深くなり、さらにプラークが住みやすい場所を作ります。歯根の露出により知覚過敏を起こすことも。

さらに進行すると…?

あごの骨がさらに溶けて歯がグラグラし、食べるのが不自由になります。痛みをともなう腫れが出たり、歯ぐきから膿が出るなどを繰り返しながら、最終的に歯は抜け落ちてしまいます。
―――いかがでしたか?歯肉炎の段階で食い止めることがいかに大切かお分かりいただけたと思います。

よねやま歯科医院院長 米山博彦