Tag Archives: 歯周病

歯周病がひどくなる人の特徴は?

2023年12月2日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病がひどくなる人の特徴は?』と、「白と黒。歯石は2種類!』についてお話したいと思います。

歯周病がひどくなる人の特徴は?

歯周病の原因は歯周病菌です。そのため歯周病が住みにくい清潔な口内環境をつくれば、歯周病は快方に向かいます。でも、いくつかの要因により、いくら治療してもなかなか治らなかったり、さらに悪化したりするケースもあるのです。その危険な要因を見ていきましょう。

悪化3大要因はこれ!あなたは大丈夫?

喫煙

タバコを吸うと血管が収縮し、歯ぐきも血行不良を起こします。すると、歯ぐきの修復機能が低下することから、歯周病の治りが遅くなります。体の抵抗力も弱まり、タバコはまさに「百害あって一利なし」です。

糖尿病

血糖値が高いと傷が治りにくく、唾液も出にくくなります。そのため歯ぐきの炎症もなかなかおさまらず、浄化作用がある唾液が出にくくなることで、口の中の細菌が増え歯周病もどんどん進行していきます。

噛みしめやくいしばり

歯ぐきに炎症があるところに、噛みしめやくいしばりなどで強い力がかかると、歯を支えている組織が破壊され、歯周病が悪化します。無意識にしていることがあるので要注意です。

-いかがでしたか?歯周病を治すには、治療やケアはもちろんですが、生活習慣や病気をコントロールすることも重要です。喫煙の習慣がある方は禁煙を、糖尿病がある方はその治療を、そして噛みしめやくいしばりがある方はストレスをためない工夫をしてみてくださいね!

白と黒。歯石は2種類!

「歯石を取ってほしい」と来院される患者様が多くいらっしゃいますが、皆さまは歯石に種類があることをご存知でしょうか?実は歯石には白と黒の2種類あります。今回はその違いを見ていきましょう!

黒い歯石は歯周病がある証拠!

白い歯石

鏡などで自分のお口の中を覗いてみて確認できるのが、白っぽい歯石のほうです。これを「歯肉縁上歯石」と言います。歯垢が唾液中のミネラル成分によって固まってしまったものなので、白い歯石がつきやすい場所は、唾液の出口があるところ。舌の付け根や上の奥歯に触れる頬の内側付近の歯につきやすい特徴があります。

黒い歯石

白い歯石とは別に「歯肉縁下歯石」という黒い歯石があります。これは歯周ポケットと呼ばれる歯ぐきの溝の中に隠れているため自分では見えません。白い歯石よりも頑固に歯根表面にこびりついているため、歯石取りもなかなか困難でやっかいな歯石です。黒い理由は、歯周病菌の出す色素が黒いことや、歯周病の炎症で歯茎から出血する血液成分の影響だと言われます。

黒い歯石は、歯周病が進行して生じる歯周ポケット内にできるため、黒い歯石があるということは歯周病がある程度進行しているということ。歯周病が進行すると、次第に歯を支えるあごの骨が溶け、最悪の場合は歯を失ってしまいます。

-いかがでしたか?歯周病予防には、黒い歯石ができる前にこまめに歯科医院で歯石を除去してもらうことが大切です。こまめなチェックをすることで治療回数も痛みも少なくて済み、結果的にラクですよ!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

インプラントで日常が変わる!

2023年10月28日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は「インプラントで日常が変わる!」のお話と「術後の過ごし方が成功の決め手!」のお話です!

インプラントで日常が変わる?!

「インプラントは快適。ストレスがなくなった。」など、インプラントを入れた方の声を耳にすることがあるかもしれません。でも、インプラントに興味をお持ちの方なら、もっと具体的に知りたいものですよね?そこで今回は、インプラント治療後の日常生活の変化について詳しくご紹介します!

食事を楽しめるようになった!

自分の歯とほぼ同じように噛めるため、「固いものが噛めない、食べ物がはさまる、味覚が鈍い」などの悩みがあった方も、好きなものを存分に味わって食べられるようになります。

口元に自信を持てるようになった!

「差し歯の色が気になる、入れ歯だと気づかれそう…」など、口元に自信がなかった方も、審美性に優れた歯を手に入れることで生活自体をもっと楽しめるようになります。また、しっかり噛める歯があると口元の筋肉を十分に使えるようになり、シワやたるみを改善する効果も期待できます。

若返ったと言われるようになった!

よく噛むと唾液が十分に分泌されます。その唾液の中には、実は「若返りホルモン」と呼ばれるパロチンが含まれています。また、よく噛むことは脳細胞の活性化にもつながります。

―いかがでしたか?

このようなメリットがあるインプラント。治療を受けた後は、笑顔が増えたり、人と積極的に関わるようになるなど、ポジティブな変化がある方が多くいらっしゃいます。まさに、生活の質を上げる治療だと言えますね。興味を持たれた方はお気軽にご相談ください!

術後の過ごし方が成功の決め手?!

インプラントはあごの骨に穴を開けてインプラント体を埋入する外科手術です。そのため、手術後の過ごし方についても、気になる方が多いのではないでしょうか?実際、術後の過ごし方によって、傷口が塞がりにくかったり、痛みや腫れが出るなどのトラブルが発生することも。そこで今回は、インプラント手術後の一般的な注意点についてお伝えしたいと思います。

食事

固いもの、辛いもの、熱いものなど、刺激の強い食事は痛みや腫れの原因になるため避けます。手術した側と反対側の歯で噛むようにしてください。

生活

湯船につかったり、激しい運動をしたり、お酒を飲むなど、血流の良くなることは避けます。また、喫煙はあごの骨とインプラント体の結合に悪影響をおよぼす可能性があるため、禁煙することも必要です。

傷口

手術した部分は歯ブラシで磨かず、専用のうがい薬でぶくぶくうがいをします。あまり激しくうがいをすると、傷口が塞がりにくくなるため、優しく水を含んで吐き出すようにします。手術部位を指や舌で触ったりすることも控えます。

―――いかがでしたか?

インプラントはインプラント体を埋入するため、抜歯などよりも気をつけなければいけないことが多くあり、術後の過ごし方はインプラントの成功にも関係すると言えます。インプラントを検討されている方は、ぜひ参考にされてくださいね!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

今ならまだ間に合う!歯肉炎のうちに進行ストップ!

2023年10月21日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『今ならまだ間に合う!歯肉炎のうちに進行ストップ!』と、「お口の中だけの病気ではありません!』についてお話したいと思います。

今ならまだ間に合う!歯肉炎のうちに進行ストップ!

皆様は「歯肉炎」という言葉をお聞きになったことはありますか?「歯周病はよく聞くけど…」という方が多いかもしれませんが、「歯肉炎」は歯周病の初期段階。磨き残しなどが原因で、歯と歯ぐきの間などにプラークが溜まり、歯ぐきに炎症が起きている状態のことを言います。

まだ元の状態に戻る「歯肉炎」

歯ぐきが赤みを帯びて腫れている状態の歯肉炎の段階であれば、適切な治療で元の歯ぐきに戻すことが可能です。原因となっているプラークと歯石を取り除き、丁寧にブラッシングをすれば治ります。しかし放置していると、次の段階である「歯周炎」に移行し治療はどんどん難しくなります。

元の状態に戻すのが困難な「歯周炎」

歯肉炎が進行すると、歯ぐきの炎症が歯を支える構造にまで広がっている「歯周炎」の状態になります。歯ぐきの腫れ・痛み・出血、口臭の他、あごの骨が徐々に溶かされ歯がぐらついて、最悪の場合、歯は抜け落ちてしまいます。この状態まで進行すると、元の状態に戻すことは大変困難です。

歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどないため進行に気がつきにくい病気であり、歯を失う原因第1位の怖い病気です。

大切な歯を守るためにも、歯ぐきの腫れなど少しでも違和感があれば早めに歯科医院でチェックしてもらいましょう!

お口の中だけの病気ではありません!

歯周病というと、歯ぐきから出血があったり、歯がぐらぐらして抜けるお口の中の病気と考えている方も多いと思います。でも実は、歯周病はお口の中にとどまらず、全身に影響がおよぶ病気なのです。そこで今回は、歯周病がどんな病気に影響をおよぼすのかをみていきましょう。

歯周病が命に関わることも?!

心筋梗塞・脳梗塞

歯周病の原因菌が歯ぐきから血管内に入り、血管に炎症を起こしたり、血管を硬化させたり、血栓を作ることにより動脈硬化を進行させていると考えられています。動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞にもつながります。

糖尿病

糖尿病になると細菌に対する抵抗力や組織の修復力が低下し、歯周病がどんどん進行していきます。逆に、歯周病があると糖尿病を悪化させます。このように2つの病気は深く関わり合っています。

誤嚥性肺炎

食べ物などを誤って気管や肺に飲み込んでしまう際、お口の中の細菌も一緒に飲み込んで発症するのが誤嚥性肺炎です。高齢者に多くみられ、原因となる細菌の多くは歯周病菌であると言われています。

-いかがでしたか?このように歯周病は、命に関わる病気に影響を与える可能性がある病気です。毎日のセルフケアと定期的な歯科検診で歯周病を予防し、全身の健康を維持していきましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯周病って治らない病気?

2023年9月30日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病って治らない病気?』と、「歯周病になって失うものは?』についてお話したいと思います。

歯周病って治らない病気?

「歯周病は一生治らない」…そんな言葉を聞かれたことはありますか?治療しても治らないんじゃ、してもしょうがないのでは?なんて思われるかもしれませんが、実際はきちんと治療をしてメンテナンスを続ければ、歯周病は治ります。治るけど、再発しやすい病気です。

ただし、歯周病は再発しやすいのも事実。毎日のセルフケアが疎かだったり、歯科医院での定期的なメンテナンスができていないと、再び歯周ポケットができて歯周病菌が住み着き、歯ぐきに炎症を起こし、さらにはあごの骨も溶かしていきます。つまり、メンテナンスを怠ると、いくら治療をしても歯周病が再発し“一生治らない”と同様の状態が続いてしまうのです。

治療完了後、再発させないために必要なこと

毎日のブラッシング

食後や特にお休み前にはしっかり歯磨きすることが大切です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスなども利用して隅々までキレイに。磨き残しやすいポイントなど、私たちにお気軽にお聞きください。

歯科医院での定期的なケア

セルフケアだけですべての汚れを取り除くことは不可能です。定期的に歯科医院に通い、セルフケアで取り残した汚れやプラークを掃除してもらうことが必要です。特に歯周病菌の住み家となる歯石は自分では取り除けませんので、プロの手で丁寧に取り除いてもらいます。
セルフ+プロのメンテナンスで、歯周病を寄せ付けない口腔環境をつくりましょう!

歯周病になって失うものは?

テレビのCM等でもよく聞く「歯周病」。なんとなく悪い病気だと思っていても治療すれば治ると、軽く考えている方はいらっしゃいませんか?実は、歯周病を治療しても、元どおりに戻らないものはたくさんあるのです。

歯ぐき、あごの骨、歯はもう元に戻らない!

下がった歯ぐき

歯周病によって歯ぐきが下がってしまった場合、歯周病の治療をしても、一度下がってしまった歯ぐきはもう元に戻ることはありません。薬用の歯磨き粉を使ったり、歯ぐきのマッサージをしても、効果はほとんどないでしょう。

歯ぐき下がると老けて見えるなどの見た目だけでなく、エナメル質がない歯根部分が露出するため、虫歯や知覚過敏などのリスクも上がってしまいます。

溶けたあごの骨

歯周病によってあごの骨が溶けてしまった場合も同様に、歯周病の治療をしても、溶けてしまった骨は自然に再生することはありません。歯周病が進行しあごの骨の破壊が進んでしまっている場合は、大切な歯まで失ってしまうことがあります。

ちなみに、インプラントを入れる場合は、あごの骨の量が足りないと、通常の手術の他に骨を追加する手術も必要となり、経済的にも精神的にも負担が増大します。

まとめ

-いかがでしたか?歯周病で失うものはたくさんあります。毎日のケアと歯科医院での定期検査で、歯周病にならない、再発させない健康なお口の状態をキープしていくことが大切ですね!ないという時はお気軽にお尋ねくださいね。お口の中を清潔に保ち歯周病を予防しましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯周病予防の正しいセルフケア

2023年9月9日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病予防の正しいセルフケア:1』と、「歯周病予防の正しいセルフケア:2』についてお話したいと思います。

歯周病予防の正しいセルフケア・1

歯周病は歯の周りの組織に細菌感染が起こる病気です。歯肉の炎症や出血からはじまり、歯を支えているあごの骨が溶け、最終的には大切な歯が抜けてしまいます。そんな歯周病を予防するために大切なのは、毎日のセルフケア。その中で基本となるのが歯ブラシでのブラッシングです。そこで今回は、ブラッシングで使用す歯ブラシの選び方について詳しくご紹介していきましょう!

歯ブラシの選び方で口内環境が変わる!

<ヘッド・毛先・硬さで見つける自分用歯ブラシ>

自分に合う歯ブラシって?と店頭などで悩まれた経験はありませんか?誰もが使う歯ブラシですが、その選び方まで熟知していらっしゃる方は少ないのではないでしょうか?

歯ブラシを選ぶ第1のポイントはヘッドの大きさ。小さめヘッドのほうがお口の中で小回りがきき、細かな部分まで磨けます。第2に毛先がフラットであること。ギザギザの形状のものより、歯に均等にブラシが当たり汚れが良く落ちます。3番目は「やわらかめ」「ふつう」「かため」と区別される毛の硬さ。一般的には「ふつう」でOKですが、歯ぐきに痛みがある場合はやわらかめを使用するなど、その時どきで使い分けるとベストです。

いかがでしたか?せっかく歯磨きをしても合わない歯ブラシでは効果が半減します。こちらの歯ブラシの選び方を参考に、ぜひ自分のお口の状態に合った歯ブラシを探してください。どれが良いのか分からないという時はぜひお気軽にご相談を。私たちといっしょに歯周病になりにくい口内環境をつくっていきましょう!

歯周病予防の正しいセルフケア・2

歯周病は歯の周りの組織に細菌感染が起こる病気です。歯肉の炎症や出血からはじまり、歯を支えているあごの骨が溶け、最終的には大切な歯が抜けてしまいます。そんな歯周病を予防するために大切なのは、毎日のセルフケアです。そこで今回は、前回お伝えした歯ブラシの選び方に続き、歯磨きのタイミングついて詳しくお話しましょう!

毎日の歯磨き。磨くタイミングは?

■毎食後の歯磨きはいつがベスト?

食後30分以内の歯磨きはNGという情報をお聞きになったことがあるかもしれません。しかし、これは、酸性食品を摂取した直後の注意のため、通常、食後は早めに歯磨きをしてお口の中の食べかすなどを取り除き歯周病菌が住みにくい環境をつくることが大切です。

■朝の歯磨きはいつ?

皆さんは、起床後すぐに磨きますか?それとも朝食を食べてからでしょうか?お口の中の細菌は就寝中に増えているため、そのまま朝食を食べてしまうと、細菌を体内に取り込むことに。起床後はすぐに歯磨きやうがいをすることをオススメします。
そして、朝食後の歯磨きも忘れずに行い、お口の清潔を保ちます。

■寝る前の歯磨きは十分に!

就寝中は唾液の分泌が減り細菌が増えやすい状態になるため、就寝前の歯磨きこそ、一日のうちで一番念入りに行いたいタイミングです。歯間ブラシやフロスなども併用して丁寧にケアしましょう。

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯ぐきから出血!これって歯周病?

2023年9月2日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯ぐきから出血!これって歯周病?』と、「歯周病が新型コロナの感染リスクを高める?!』についてお話したいと思います。

歯ぐきから出血!これって歯周病?!

皆さまは歯磨きのときなどに歯ぐきからの出血はありませんか?出血の原因は、強すぎるブラッシングや病気の治療のため抗凝固剤を服用しているなど様々ありますが、ほとんどの場合、歯周病が原因だと言われています。

歯ブラシだけでは不十分!磨けているのは約6割!

■歯周病で歯ぐきに炎症が

歯周病になるとお口のなかにいる歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、少しの刺激で出血しやすくなります。自覚症状が出にくく静かに進行する歯周病は、「サイエントキラー」ともいわれる病気。歯ぐきからの出血は歯周病のもっとも分かりやすいサインなのです。

■最終的には歯がポロリ!

すでに出血のサインがある場合は、早めに歯科医院を受診することをオススメします。放置すると、歯ぐきだけでなく歯を支えているあごの骨まで溶かされ、最終的には歯がポロリと抜け落ちてしまうことも…。

■命をも狙う病気!

さらに恐ろしいのが、歯周病は歯を失うだけでなく、私たちの命さえも狙う怖い病気だということです。歯周病菌が血管の中に入り込むと体内で様々な悪さを働き、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの命に関わる病気のリスクも高まると言われています。

歯ぐきから出血がある方はぜひお早めにご来院ください。初期に治療を始めるほど、治療時間も費用も少なくて済みます。私たちといっしょに歯周病になりにくい口内環境をつくっていきましょう!

新型コロナの感染リスクを高める!?

世界中に新型コロナウイルス感染症が広がり、収束のきざしが見えない今。日々、さまざまな不安や不便を感じていらっしゃる方が多いと思います。その新型コロナ、実は歯周病に関係が深いということをご存知ですか?今回は歯周病と新型コロナウイルスの感染についてお話したいと思います。

歯周病菌が感染を手助け!

ちょっと専門的なお話になりますが、新型コロナウイルスは「ACE2受容体」というレセプターにくっついて私たちの体内に侵入します。レセプターというのは、細胞表面や内部にあって、ウイルスなどと結合するもののことです。「ACE2受容体」は体内のあらゆる場所に存在しますが、お口の中の粘膜にも多く存在すると報告されています。

そして、もう一つ重要なことは、歯周病菌が作り出すタンパク質を分解する酵素(プロテアーゼ)は、ウイルスが粘膜細胞の中に入り込むことをたやすくしてしまう働きがあるということです。歯磨きなどのメンテナンスが行き届かず、歯周病菌の数が多くなると、新型コロナの感染リスクも高まってしまいます。

つまり、「ACE2受容体」が多く存在し、なおかつ不潔になりやすいお口の中は、新型コロナ感染リスクが高い場所と言えるでしょう。マスクや手洗いうがいなどに加えて、お口の中を清潔に保つことが新型コロナの感染対策にも有効です。日々の歯磨きはもちろん、歯科医院での定期的なメンテナンスでお口の中を清潔に保ちましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯ぎしりや食いしばりで歯周病が悪化!

2023年8月26日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯ぎしりや食いしばりで歯周病が悪化!』と、「歯周病が肥満につながる?!』についてお話したいと思います。

歯ぎしりやくいしばりで歯周病が悪化!

「ブラキシズム」と呼ばれる歯ぎしりやくいしばり、皆さまはありませんか?通常の食事の際に歯にかかる力に比べて非常に強い力のかかる「ブラキシズム」は、さまざまな悪影響があります。そこで今回は、歯ぎしりやくいしばりが体におよぼす影響について考えてみたいと思います。

気づかないうちに、歯や歯周組織がダメになる!

■そもそも、歯ぎしり・くいしばりとは?

歯ぎしりは、上下の歯を噛み合せた状態で、横に擦り合わせるように動かす癖のことです。睡眠中にすることが多く、音がするため家族からの指摘でわかることがあります。くいしばりは、上下の歯を強くかみしめる癖です。睡眠中以外にも、何かに集中しているとき無意識にしていることが多いです。

■短期間で歯周病を悪化させる!

この「ブラキシズム」が及ぼす悪影響は、歯のすり減りや亀裂、知覚過敏などのほか、歯を支える歯周組織にも大きなダメージを与えるため、短期間のうちに歯
周病が悪化してしまう危険があること。歯周病にかかっている方は要注意です!

■治療方法は?

「ブラキシズム」を軽減させるには、原因のひとつと言われるストレスを減らすこと。そして、日常生活の中でのくいしばりを自覚して意識して直すことも大切です。改善しない場合は歯科医院でマウスピースをつくる方法もあります。「ブラキシズム」で悩んでいる方はお気軽にご相談くださいね!

歯周病が“肥満”につながる?!

歯ぐきの炎症などから始まり、あごの骨を溶かし、最後には大切な歯を失ってしまう歯周病。最近では全身の病気とも関係が深いことがわかってきました。そんな歯周病が「肥満」と関係があるという実験報告があります。そこで今回は、歯周病と肥満の関係を少しご説明してみましょう。

歯周病菌の内毒素で脂肪が増加!

歯周病の原因になる歯周病菌。これは内毒素という毒素を持っています。この毒素は歯ぐきの炎症部分から血液中に入り込みいろいろな悪さをします。
あるマウスを使った実験では、歯周病菌が出す毒素をマウスの体内に入れたところ、肝臓と脂肪組織に脂肪がつき、マウスの体重が増加したという結果が出ました。この実験から、歯周病がある方は肥満になりやすいということがわかります。

また、肥満になると、血液中の糖をエネルギーに変えるインスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなることで、深刻な合併症の危険がある糖尿病を発症するリスクも上昇するのです。

まとめ

いかがでしたか?歯周病はお口の中にとどまらず、肥満や糖尿病など全身の健康にも密接につながっています。そんな歯周病を予防するには、お口の中の歯周病菌を減らすことが大切です。毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なクリーニングで歯周病を予防していきましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯周病予防の正しいセルフケア:3、4

2023年8月19日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病予防の正しいセルフケア:3』と、「歯周病予防の正しいセルフケア:4』についてお話したいと思います。

歯周病予防の正しいセルフケア・3

歯周病は、お口の中の不衛生が原因で歯周病菌が増え、歯ぐきが腫れたり出血を繰り返し、歯を支えるあごの骨が溶けて歯を失ってしまう怖い病気です。そんな歯周病を予防するためには、毎日のセルフケアでプラークを取り除くことが重要。そこで今回は、これまでお伝えした歯ブラシの選び方や磨くタイミングに続き、磨き方のコツについてご紹介します!

磨き残しをつくらない磨き方のコツ

★まずは、自分の歯の形や歯並びなどを知ることが大切。
鏡の前でチェックしてみましょう。
★歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、奥歯の噛み合わせの溝などは磨き残しやすい場所です。この部分は特に意識して1本1本を丁寧に磨きます。
★奥歯のまわりは歯ブラシが入りにくい危険ゾーン。
歯ブラシを縦やななめに持ちきちんと当てて磨きます。
★前歯の裏側も磨きにくい場所です。歯ブラシを縦にして、ブラシの先やかかとを使って磨きましょう。
★歯並びが凸凹しているところは、歯ブラシを縦にして、上下に細かく動かして磨きます。
★歯と歯ぐきの境目は、45度の角度に毛先を当て、毛先を入れ込むように小刻みに動かすのがポイントです。

いかがでしたか?きちんと磨いているつもりでも、意外と磨き残しはあるものです。歯科を受診の際は、ご自分のお口の中で磨き残しが発生しやすい場所などを、ぜひお気軽にお尋ねください。毎日の歯磨きが効果的にできると思いますよ!

歯周病予防の正しいセルフケア・4

歯肉の炎症や出血からはじまり、歯を支えているあごの骨が溶け、最終的には大切な歯が抜けてしまう恐ろしい病気、歯周病。そんな歯周病を予防するためには、毎日のセルフケアでプラークを取り除くことが重要です。そこで今回は、これまでお伝えした歯ブラシの選び方や磨くタイミング、磨き方のコツに続き、歯ブラシ以外の清掃用具についてご紹介します!

歯ブラシだけでは不十分!磨けているのは約6割!

歯周病を予防するためには、歯ブラシのケアだけでは不十分ということをご存知ですか?実はおよそ6割しか磨けていないと言われています。すべての歯をきちんと磨くには、歯ブラシ以外の補助用具も必要です。

★歯間ブラシ
自分の歯間に合ったサイズの歯間ブラシを使用し隙間に
たまった汚れを取り除きます。ブラシの角度や持ち手の長
さなどいろいろありますので磨きやすいものを選びます。
★デンタルフロス・糸ようじ
歯間ブラシが入りにくい歯間を磨く際に使います。初め
ての方には取っ手がある糸ようじが使いやすいかもしれま
せん。ゆっくりと前後に動かし汚れを取り除きます。
★タフトブラシ
ブラシの小さいタフトブラシは、細かい場所に上手に入り込みポイントを絞って磨くことができます。
親知らずや歯並びが凸凹しているところ、前歯の裏側などにもピタッと合ってキレイにできますよ。

いかがでしたか?歯ブラシ以外の清掃用具もぜひ使ってみてください。自分に合うものが分からないという時はお気軽にお尋ねくださいね。お口の中を清潔に保ち歯周病を予防しましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯医者さんで歯石をとる時の流れは?

2023年8月12日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯医者さんで歯石をとる時の流れは?』と、「実は歯周病菌は空気が嫌い!』についてお話したいと思います。

歯医者さんで歯石を取るときの流れは?

歯石を取ってもらいたいけど、「歯石取りってどんなことするの?」という不安から、なかなか歯科医院に足が向かないという方もいらっしゃるかと思います。歯石そのものに害はないですが、歯石をすみかとして歯周病菌などの細菌類も増えていきますので、歯石を除去することはとても大切。そこで今回は一般的な歯石取りの流れをご紹介したいと思います。

プロービング~スケーリング~ルートプレーニング

■診察やプロービング

まずはお口の状態をチェックします。歯や歯ぐきの状態を診察し、歯周ポケットの深さを測るプロービングや、歯と歯ぐきの状態を確認するためにレントゲンを撮影し歯周病の進行具合を確かめます。

■スケーリング

次は、歯ぐきの縁の上側についた歯石を取り除くスケーリングを行います。手動で行うハンドスケーラーや、音波や空気圧で歯石を剥がして水で流し去る超音波スケーラー等の専用器具を使い歯石をとっていきます。

■ルートプレーニング

歯石には2種類あります。歯ぐきの縁より上についた白っぽい色の歯石と、歯周ポケット内部についた血液成分などが混じった黒っぽい歯石です。ルートプレーニングでは、歯周ポケット内部で歯根に固くこびりついた歯石を専用の道具で取り除いていきます。

セルフケアだけで歯石を防ぐことは厳しいのが現実です。ぜひ、歯科医院で歯石を取ってもらってくださいね。定期的なチェックで歯周病などになりにくいお口の環境をつくりましょう!

実は、歯周病菌は空気がキライ。

歯肉の炎症や出血からはじまり、歯を支えているあごの骨が溶け、最終的には大切な歯が抜けてしまう病気、歯周病。最近では全身の病気とも関わりがあることがわかってきています。その原因となる歯周病菌のほとんどは「嫌気性菌(けんきせいきん)」で空気を嫌う性質を持っています。そのため、歯周病菌が住みつくのは空気が届きにくい所。歯周ポケットなどのような場所なのです。

深い歯周ポケットが絶好の住み家!

健康な方の場合、歯周ポケットは2~3mm程度で歯周病菌は留まりにくいのですが、お口のケアが不十分だったり、不規則な生活をしている方の場合は、歯周ポケットが4~5mmになり、歯周病菌が住みやすい状態になっています。住みついた歯周病菌はどんどん悪さをし、歯周ポケットを深くしていきながら、あごの骨まで溶かしていきます。

このような負のスパイラルに陥らないためには、住み家となる歯周ポケットが深くならないようにすることです。必要なのは、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的な検査。すでに歯周病が進行している方の場合は、歯科医院で歯周ポケットの中にある歯石やばい菌を取り除く治療から始めて、着実に歯周ポケットを浅くしていきます。

いかがでしたか?肥満や糖尿病など全身の健康にも密接につながる歯周病。歯科医院との二人三脚で歯周病菌が住みにくいお口をつくっていきましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦

歯周病は人から人へうつる感染症!

2023年7月22日

こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は『歯周病は人から人へうつる感染症!』と、「歯の寿命、実は女性の方が短い!』についてお話したいと思います。

歯周病は人から人へうつる感染症!

皆さまは、歯周病は人から人へうつると思いますか?歯の病気だからうつらないと思われるかもしれませんが、歯周病は歯周病菌によって引き起こされる感染症のため、実は人から人へうつるのです。

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には歯周病菌はいませんが、成人の多くは歯周病に罹患しています。つまりそれは、誰かから歯周病菌をもらっているということなのです。

親やパートナーの唾液を介して…

誰から感染しているのかといえば、両親や祖父母、パートナーなど身近な存在のことが多いようです。
歯周病は人の唾液を介してうつるため、スプーンなどの食器を共用したり、キスなどのスキンシップが感染リスクを高めます。では、私たちはどんなことに気をつければ良いのでしょうか?
★子どもと食器を共用しない!
自分が使ったスプーンで子どもに食べさせたり、自分の口で噛んで細かくしたものを、子どもに食べさせることはやめましょう。
★パートナーと揃って歯周病予防!
キスなどのスキンシップでも感染の危険があります。
そのため、パートナーとともに歯周病を予防することが大切です。毎日の歯磨きに加えて、歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。

いかがでしたか?自覚がなくても進行している場合がある歯周病。自分の健康はもちろん、身近にいる大切な人の健康も考え、しっかり治療も予防もしていきましょう!

歯の寿命、実は女性のほうが短い!?

日本人の平均寿命は女性のほうが長いことを皆さんご存知ですよね。しかし、歯の平均寿命は女性のほうが短いことはご存知でしょうか?今回はその理由を詳しくご紹介します。

女性特有のライフステージは要注意!

女性は一生のなかで、ホルモンバランスが大きく変化する時期が3回あります。その時期は、歯周病で歯を失うリスクが高くなる要注意期間なのです。

思春期

女性ホルモンの分泌量が増加し、それを好む歯周病菌の一種が異常に増殖し、歯ぐきからの出
血が起こりやすくなります。受験などで生活リズムが崩れやすい時期でもあるため、歯磨きなどのメンテナンスが怠りがちに。

妊娠期

思春期と同様、女性ホルモンの分泌量が増加し、歯周病に罹患したり悪化しやすくなる時期で
す。食事の回数が増えたり、つわりで歯磨きができないなど、お口を衛生的に保つことが困難に。

更年期

女性ホルモンの分泌量が減ることに伴い身体の抵抗力が低下。歯ぐきの抵抗力も低下するため、今まで同様の生活でも歯周病が悪化しやすく。

いかがでしたか?女性のほうが歯の平均寿命が短い理由がお分かりいただけたでしょうか?歯周病リスクが高くなる時期には、今まで以上にメンテナンスに力を入れることが大切。そして、歯科医院での定期的なメンテナンスも続けていきましょう!

よねやま歯科医院院長 米山博彦