こんにちは、姫路市の歯医者 よねやま歯科医院院長の米山博彦です。
今日は歯を失う原因No.1の歯周病に関連して『歯を失うと認知症のリスクが上がる!』と歯周病の元凶と言われる『元凶は歯周ポケットにあり!』についてお話したいと思います。
歯を失うと認知症のリスクが上がる?!
実は、歯周病は「世界で最も蔓延している病気」としてギネスブックにも記載されている世界一の感染症ということをご存じですか?そして、歯を失う最大の原因となるのもその歯周病です。歯を失うと、見た目が悪いので人前で話したり笑ったりすることが億劫になるだけではなく、咀嚼機能が落ちて胃腸に負担をかけたり、噛み合わせが悪くなることでお顔の形がゆがむことも…。さらに怖しいことに、歯を失うことが「認知症」にも関係するというのです!
よく噛むことが予防に繋がる!
ものを噛むという行為は、食べ物を消化しやすいように細かくするというだけではなく、脳を活性化するという事がわかっています。
東北大学が行った研究によると、健康な高齢者では平均14.9本の歯が残っており、認知症の疑いのある高齢者では9.4本とハッキリとした差が見られるそうです。そして、残っている歯が少ない人ほど、海馬や前頭葉など記憶や思考を司る大切な部分の容積も少なくなっていたことが分かりました。
つまり、歯を失い咀嚼が十分にできない人ほど、脳への刺激が少なくなり、認知症へのリスクが高まるということが分かったのです。
誰もがなるかもしれない認知症の予防には、よく噛める歯を維持し良く噛むことが大切だったんですね。よく噛める健康な歯を維持するためにも、日頃のケアと定期的なプロのケアが大切です。
また、歯があっても十分に咀嚼していなければやはり脳への刺激が少なくなります。食事では歯ごたえのある食材を積極的に利用して、十分に良く噛んで脳を活性化させてあげましょう。ガムを噛むことも効果的ですよ!
元凶は歯周ポケットにあり!
テレビのCMなどでもよく登場する「歯周ポケット」。皆さんも聞いたことがあると思います。歯周ポケットは歯とハグキの境目の溝のことで、健康な歯ぐきでも1~2ミリありますが、中程度の歯周炎で3~5ミリ、歯周病が進行した場合は6ミリ以上と深くなっていきます。
歯周ポケットは傷口が開いた状態!
そんな歯周ポケットの中では、一体どんなことが起きていると思いますか?実は歯周ポケットの中は、適度な温度に保たれているうえ、中の汚れは通常の歯みがきでは取りにくいため、たくさんの細菌が快適に生活しているのです。そんな状態では、歯周病菌も活発に活動して歯ぐきの炎症が進行し、歯を支えてる歯槽骨と呼ばれるあごの骨を溶かし、最終的には歯を失うことに…。
また、歯周病の怖さは歯が抜けることだけではありません。歯周ポケットの中は組織が破壊され続けている状態なので、まさに傷口が開いた状態。細菌は簡単に体内に入り込んでしまいます。普通の細菌は白血球などの働きにより血液中では生きられませが、歯周病菌は血液の中でもしばらくは生きのびられます。
結果、歯周病菌は血液の流れに乗って全身に運ばれていき、臓器や血管壁にたどり着き、そこで炎症を引き起こします。特に心臓や脳、子宮などへの悪影響が心配されています。
全身の健康に悪影響を及ぼす歯周病。まずは、歯周病菌の住み家となる歯周ポケットを浅くすることから始めましょう。歯科医でポケット内にあるプラークや歯石を取り除き、歯ぐきの炎症を抑えて引き締め、これ以上歯周病が進行しないようにします。「歯周ポケットがあるみたい」という方は早めに歯科医院で治療してくださいね!
よねやま歯科医院院長 米山博彦